シーズン1・アウトロ 涙と過去を埋めて(下)

お兄ちゃんは何か話したいことがあるみたい、何があったか聞いてみよう。

…お兄ちゃんと話そう…

アキラ
さっきビビアンからメッセージが来ていた、サクリファイスの件で進展があったみたいだ。
あれからビビアンはどう過ごしていたんだろう…
ヒューゴが亡くなった後、モッキンバードのことで手一杯のようで、しばらく連絡が取れていないな…
リン、時間を作ってビビアンに会ってくるのはどうだい?

①そうしようかな

アキラ
それじゃ、時間は調整しておくから、リンはしばらく休んでおいて、僕からの連絡を待っていてくれ。

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②もう少し後にしようかな

アキラ
それじゃあ、リンが準備できたら、またビビアンと時間を決めよう。

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ソファでしばらく休んで、ビビアンが来るのを待とう。

…ソファで休憩しよう…

(ソファでちょっと休もう…)

>今すぐ休もう

ソファでビデオでも見て休もうと思ったのに、気がづいたら寝落ちしてた…
目を覚ましたのは、近くで何かの音がしたことに気付いた時だった――

【?】ムービー

ビビアン
「パエトーン」様ぁ…
つぎは わたしが…

ビビアン?ビビアン…

ビビアン
パ「パエトーン」様?
お休みのところお邪魔でしたか…?

【?】タイトル画面

「蠢く暗流に隠れた絆」
ヒューゴの死によって、世論の矛先はハルトマンへと向けられた、ビビアンは私たちと引き続きサクリファイスの調査を続けたいと語り、ライカンさんもその時に訪ねて来た…

ビビアン
お店を訪ねたとき、もう一人の「パエトーン」様がいらっしゃいまして…
あなたがソファでお休みになっているからとわたしを招き入れてくださったのです…!

「パエトーン」様がお目覚めになるのをお傍で待つつもりだったのですが、うっかりわたしまで眠ってしまったようで…
ああもう…
せっかく「目が覚めた瞬間に見たい、隣で寝てる人のポーズ第一位」でお迎えするために、わざわざ愛らしい頬杖をついていたのに…
本当に寝てしまうなんて!
わたしのばか!

>どういうポーズ…?

リン
ポーズ?第一位…?
なんか早口ですごいこと言ってる気がするけど…
どうしたのビビアン?
このところ、あんまり休めてない?

ビビアン
こ、コホン…
そんなことはないのです、「パエトーン」様。
ただ、あなたの休息を邪魔してしまったのではないかと心配になっただけなのです。
熟睡なさっている「パエトーン」様のお姿を拝見できたこと、このビビアンにとって今日…
いいえ、今月最大のご褒美でした!
というわけで、少し遅くなってしまいましたが――
おはようございます、「パエトーン」様。

>今日は何か用事があって?

リン
こんなに朝早くからうちに来て…
ビビアン、なんか急ぎの用事でもあるの?

ビビアン
このところ、「モッキンバードの死」は大きな話題になっています。
わたしは時間を費やして情報を探っていたのです。
ヒューゴがレイヴンロック家の私生児であるという事実は、世論を操作するため意図的に流布されたもの…
ですが今のところ、情報源の特定には至っていません。

>ハルトマンかな?

リン
叔父のハルトマンじゃないの?
モッキンバードもろともけなすつもりで、ヒューゴの出身を言いふらしてるんでしょ。

ビビアン
わたしも最初はそう睨んでいたのです。
ヒューゴがTOPSに連なる家の出身であると示唆することで、モッキンバードと財政ユニオンのつながりを想像させる…
上流階級は最初からモッキンバードのことなんて眼中にありませんけど、庶民の間にいる忠実な支持者たちは、いい顔をしないのではと思いました。
ですが、わたしが方々に探りを入れた結果…
意外にも、市井の人々がヒューゴに向ける感情はより肯定的になっているようなのです
彼の身分を哀れむ人もいれば、境遇に共感している人もいます。
今や、こうした世論の矛先は全てハルトマンに向けられているのです。
ハルトマンが、私欲のためヒューゴを殺害したのではないか…
そう非難する声が支配的になりつつあります。
また今週、TOPSで業界サミットがあるのですが、わたしの情報網によると、例年レイヴンロック家が主催となっていたこのサミットを今年は別の一族が臨時で催行することになったとか…
推測が正しければ、TOPSは現状の世論を考慮して、レイヴンロック家と距離を置こうとしているのではないでしょうか。

>ハルトマンが引き下がるとは思えない

リン
ふうん、意外とハルトマンは劣勢なんだね…
でもあいつ、絶対これくらいじゃあきらめないよ!

ビビアン
まさに、わたしも懸念を同じくしているのです。
サクリファイスのコアは間違いなくハルトマンによって持ち去られた…
今もなお切り札は彼の手中なのです。
讃頌会とどんな協定を結ぶか、わかったものじゃありません。

アキラ
割り込んですまない、ビビアン。
ちょっとリンに用があってね。

ビビアン
あっ、全然大丈夫なのです!
「パエトーン」様であるお二人のことですから、きっと大事なお話であるはずです。
わたしはそのあたりを弁えているので、お外で待たせていただくことにします。

アキラ
えっと、お客さんを外で待たせるわけにもいかないだろう。
僕とリンが場所を変えよう。

ビビアン
ご心配なく、「パエトーン」様。
わたしもビデオの棚を眺めたいと思っていたところですので。
もしお話し合いが終わった暁には、わたしを呼んでいただけると嬉しいのです。

アキラ
リン、ライカンさんはまだビデオ屋の外にいる。
僕たちがビビアンと一緒にいることを知っているから、どうにも入りかねているんだろう。
きっと、ビビアンの前でヒューゴを手にかけてしまった負い目があるんだ。
そのうえで、僕たちとビビアンに用事があることも事実だろう。
まずは彼と話してみないか?

>話してみようか

リン
【?】うん、話を聞いてみよ。
ライカンさんだって、ビビアンだって…
誰も悪くないんだから。
こんな時こそプロキシが架け橋にならないとね!

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激しく訴えている若者
このハルトマンってやつは、モッキンバードを殺した犯人に違いない!

中立を保つ中年
レイヴンロック家も名のある一族なのに…
どうしてこんなことを?


激しく訴えている若者
ハルトマンは自分の権力を守るために、密かに手を下したに違いない!

中立を保つ中年
そうは言うけど、モッキンバードは別にマトモなことをしているわけじゃ…

激しく訴えている若者
あれはな、富めるものから盗み、貧しきものに与えるってやつだ!
ハルトマンはな、ヒューゴが称賛を受けて、自分の地位が脅かされるのが怖くて、あんなことをしたはずだ。

中立を保つ中年
この件、やっぱり引っかかるところがあるな…

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ストリートの少年
モッキンバードこそが本物の英雄だ!

反抗的な少年
真に権力に楯突く勇気を持った人間も、結局は権力に謀殺されてしまったなんて、惜しいことだ。

グラフィティを描く少女
これも全部、あの権力者たちの陰謀に違いないわ。

ストリートの少年
こんな先がけがいるんだ、俺たちも後に続こう!

反抗的な少年
けど、僕たちに何ができるんだろう、あんなすごい力を持ってないし…

グラフィティを描く少女
でも、モッキンバードのヒューゴだって一般人に変わりはないよ、彼にできることなら、私たちにだってできる!

ストリートの少年
そうだ、彼が証明してくれたんだ、人間覚悟さえあれば、変化を巻き起こせるってな!

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ライカンさんはもうビデオ屋の外にいる、彼と話してみよう。

…ライカンさんと話そう…

ライカン
フン、これであいつもやりやすいだろう。
願わくば、誰も気づかないことを…

「モッキンバードは幕を下ろさない」
市長さんの依頼を受けてきたライカンさんは協力を求め、ヒューゴのことについてビビアンに謝罪し、私たちに引き続きサクリファイスの調査に協力する意志があるかを尋ねた…
ライカン
プロキシ様、おはようございます。

>おはよ!

リン
ライカンさん、おはよ!
私たちとビビアンに用事があるってお兄ちゃんから聞いたけど。

ライカン
はっ…
市長閣下は、新エリー都の安全にかかわる重要事項を、あなた方に託したいと考えておいででございます。
ですが、その前に…
かつてモッキンバードに身を置いていた者として、ビビアン様の心模様をより憂慮している次第でして。
ヒューゴは多くの間違いを犯し、モッキンバードの道義にも背きました。
ですが私が唯一確信しているのは、あの男が彼女やあなた方を、本当の意味で危険に晒すつもりはなかった…ということです。
ビビアン様とはさほど交流もなく、また彼女にとって長く共にあった仲間を殺めたのが、私であることも事実…
私にこれを言う資格などないことは百も承知でございますが、彼女がこれまでの選択を疑わず…
落胆せず前を向いてゆけることを願うばかりでございます。

>今日のビビアンは普通に見える

リン
あんまり…
ビビアンが落ち込んでるようには見えないかな。
むしろせっせと情報を集めて回って、今起きてることを正確に判断できてる。
あの子、ライカンさんが思うよりもずっと強いのかもしれないよ。
気になるなら、あの子と話してみない?
申し訳ないって思う気持ちは…
きっと直接伝えた方がいいと思うよ、でしょ。

ライカン
そのお言葉を聞けて、いくらか胸のつかえが取れた気分でございます。
ビビアン様に対するあなた様の見解を信じたく。
あなた様の人となりを見る目は、常に的確でございますから。
それでは、私と共に店内へ戻って頂けますでしょうか。
彼女への謝罪を見届けて頂きたく。

>いいよ

リン
いいよ。
でも、私はあくまで中立だからね。
みんなにはそれぞれの立場があって、私はライカンさんのことも、ビビアンのことも、どっちも理解してるつもり。
プロキシとして、二人には率直に話し合ってほしいと思ってるからここにいるの。
どっちかに肩入れしたりはしないよ。

ライカン
それが最善かと。
まことに感謝いたします。

ライカンさんとビデオ屋に戻る。
ビビアンはライカンさんを一瞥したが、そこにほとんど感情の動きはないように思えた…

ライカン
ビビアン様。
このたびのヒューゴのこと、誠に申し訳ございません。
私は…

ビビアン
長々とした弔辞なら結構なのです。
わたしも、モッキンバードの一員なのですから。
モッキンバードは利益のために集うことはなく、また利益のために分かたれることもありません。
ヒューゴに彼なりの執念と目的があったように、わたしにも成し遂げなければならないことがあるのです。
讃頌会、そしてサクリファイスについて…
わたしは徹底的に追及します。

ライカン
…モッキンバードのもと一員として、あなた様に敬意を表します。
この件が今後いかなる動きを見せようと、決してあなた様とプロキシ様の不利益になるようなことは致しません。
このライカン、誓ってお約束します。
ですが、やはりヒューゴの件については…
お悔やみを。

ビビアン
お悔やみ?
そんなものが必要だとでも?
モッキンバードが本当に厄介なのはここからなのです。
そうでしょう。

ライカン
…おっしゃる通りでございます。

>え?

リン
あれ?
なんか思ったより早く意気投合しちゃってる…?

ライカン
プロキシ様。
我々三者は現在、讃頌会ならびにサクリファイスの件について調査するという同一の目的があると信じております。
そのうえで市長閣下は、今後は双方で協力して事態にあたるように…と

ビビアン
協力の申し出ということなら、市長様にはそれなりの誠意を示してほしいものですが。
モッキンバードが権力者の使い走りになることはありませんから。
今までも、これからも。

ライカン
至極当然のことかと。
市長閣下は直接手を下すことのできない代わりに、できうる限りの人的支援と情報提供を約束してくださいました。
ビビアン様にもご自身なりの情報網があることは存じております。
ですが、より秘められた権力の結びつきに関しては、市長閣下が異なる視点を提供してくださるやもしれません。
何卒、ご検討頂きたく。
合意が成った暁には、市長閣下より直接お二人にお話して頂きます。

>ちょっと考えてみる

リン
私たちとビビアンで、ちょっと相談するね。
何しろこの依頼にはいろんな人が関わってるから…
慎重に考えなきゃ。

ライカン
もちろんでございます、慎重な検討を要することは想像に難くありません。
私はバレエツインズにて、皆様のお返事をお待ちすると致します。

この協力についてはビビアンの意見を聞く必要もある、彼女と話してみよう。

…ビビアンと話そう…

アキラ
リン、ライカンさんが言っていた市長さんと協力する話、君はどう思う?

①まだサクリファイスのことがあるのに…

アキラ
確かに…
今のところ僕たちが掴んだサクリファイスの情報は、ブリンガーの遺物、といった程度だ。
誰かに頼んで調べてもらうこともできるけれど、かなり時間がかかるだろうし、今は急を要する状況だ、市長さんと協力するというのも、悪くない選択肢だろう。

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②先生の件は…

アキラ
リン…
それは、市長さんは先生のことを全ては話してくれていない、ということかい?
それなら確かに、情報を引き出すには、協力を続けるしかないな…

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①うーん…
②ビビアンはどう思う?

アキラ
モッキンバードのモットーは権力者を打倒すること…
市長さんに協力するとなると、恐らくビビアンも困るんじゃないかな?

ビビアン
モッキンバードはただひたすらに、権力者を打倒しようとする組織ではないのです。
モッキンバードの望みとは、全ての人々が、平等な権利を享受できること。
市長様を信用している、とまでは言えないのですが、現段階では協力してもいい相手だとは思っています。

①それじゃライカンさんのところに行こう
②まず市長さんと話してみよう

市長さんに協力すると決めた、バレエツインズに行ってライカンさんを探し、その意図を伝えよう。

…バレエツインズに行ってライカンさんと話そう…

ライカン
プロキシ様、ビビアン様、既にご決断なされたようですね。

①市長さんと話してみる
②協力するかは誠意次第

ライカン
ええ、ご安心ください、サクリファイスの件に関しては、市長閣下と皆様の利害は一致しております。
何よりも、新エリー都の市民こそ、我々が守るべき対象ですから。

「疑心と協力」
市長さんは私たちに、讃頌会が残したサクリファイス実験体の回収と、ハルトマンが残党と手を組んで混乱を起こし、TOPSの台頭を支援する計画の暴露を頼んだ。
こうして、三者の協力関係は一時的に成立した。


ライカン
それでは、直ちに市長閣下との通話をお繋ぎいたします。

市長
親愛なる子供たちよ、私と引き続き協力してくれることをとても嬉しく思う。
ヒューゴ・ヴラド君の件については、誠に申し訳なかったとしか言いようがない。
このような結末になってしまうとはな。
市長である以上、モッキンバードの行いを完全に容認することはできないが…
それでも一個人として、彼のことはとても高く評価していたのだよ。

ビビアン
ふん…

市長
以前ブリンガーから手に入れた地図に基づいて、我々は詳しく調査を行った。
あのサクリファイスを製造していたのは、かつてヤヌス区で活動していた讃頌会の責任者だ。
名をランドンという。
もっとも、当人は数年前に事故で死んでいるようだがな。
生前はサクリファイスの研究に没頭し、生ける者をあの怪物へと変じさせる薬剤を開発したとされている。
ただ、薬剤の安定性には疑問符がつくものであり、そして、彼の死と共に製造方法も失われた。
当時ヤヌス区で暗躍していた讃頌会の秘密、それを完全に復元することはもはやできなくなったと言っていいだろう。
ランドンという責任者亡きあと、ヤヌス区における讃頌会の大規模な活動が見られなくなったことも、また事実ではあるのだが。
ブリンガーが残した地図に記されている地点とは、当時讃頌会が、成功に最も近いサクリファイスの試作品を隠していた場所なのだ。

>もう亡くなってる…

リン
その人はもう死んでて、讃頌会はここ最近ヤヌス区では活動してない…
じゃあ、今回のことはハルトマンが個人的にやってただけってことですか?

市長
残念ながら、そうではないんだ。
調査によると、ハルトマンは確かに、何者かと秘密裏に連絡を取り合っている。
それも、決まってホロウの中でな。

>TOPSの人間と?

リン
もしかして、TOPSの人間と?

市長
TOPSは複雑に絡み合う巨大な財政連合体だ。
こうしたことに自ら進んで関与することは決してない。
自分たちにとって利のある成果をただ享受する…
それが彼らのやり方だからな。
ハルトマンの行動原理はすべて、TOPSにおいて自身が一席を占めること…
加えてレイヴンロック家の内部で支配的な地位を確立することにある。
私の推測が正しければ、彼はかつてランドンに従っていた讃頌会の残党と繋がり、新たなサクリファイスの製造を援助しているのだろう。

>それがTOPSにとって何の得に?

リン
でも、ハルトマンがそんなことをしてTOPSに何か得があるんですか?
だいたい、讃頌会がハルトマンに協力してるとして、サクリファイスみたいな重要なことをぜんぶ教えちゃうとは思えないんですけど…

ビビアン
サクリファイスの出現は、市民たちの大規模な恐慌を引き起こします。
そんな混乱のなか、もしTOPSが自身の手でサクリファイスに対処してしまったら?
当然、現市政は職務怠慢の疑いを向けられ、都市の安全保障をTOPSに委ねようという声も上がるはず。
民心がTOPSに傾いてしまったとき、こちらの市長様の立場は…
けっしてグーではないはず、なのです。

市長
ビビアン君、君の鋭さには相変わらず舌を巻くばかりだ。

ビビアン
それで、あなたとの協力は、わたしたちにどんな得があるというのですか。
よき市長として、市民を守る義務がある…とか、そんな理由であれば聞きたくありません。
わたしは正義の使者ではありませんし、口先だけの信念を語られて、鵜呑みにするほど愚かでもないのです。

市長
私はただ、共通の敵がいるということを示したいだけだ。
完全に理念が一致しているわけではないが、少なくともこの件に関しては協力の余地があるように思う。
ハルトマンの居場所を特定することはできなくとも、彼がモッキンバードを「殺した」ことについて、レイヴンロック家との対立を煽ることはできる…
それがこちらの誠意だ。

ビビアン
なるほど、あの情報を広めていたのはあなたでしたか。
いくら調べても世論誘導の種が分からないので、不思議に思っていたところだったのです。

市長
種を蒔いたのは私ではない。
この情報が世に流れたとき、より速く、より広く伝わるよう取り計らったにすぎない。
そう、少し伝手を頼り、ヒューゴ君が世間に「迫害された英雄」として映るよう…
最初にも言ったとおり、一個人としてはヒューゴ君をとても高く評価しているのでな。
私は喜んで、彼の名誉回復を手伝うとも。

ビビアン
……

市長
とにかく、協力について私の要望を説明させてほしい――
幾度にもわたる調査の結果、前回あの場所にあったサクリファイスの休眠体以外にも、同様のものが存在する可能性のある場所がいくつか見つかった。
部下を派遣して処理したいところだが、私の一挙手一投足は多くの目に晒されている…
そこで君たちには目標地点に向かい、サクリファイスを回収してもらいたいのだ。
回収されたサクリファイスは、二度と誰にも利用されることのないよう私が責任を持って処分する。
加えて、子供たちよ。
君たちをある友人に引き合わせたい。
自身の身体について把握し、さらなる潜在能力を引き出せるよう彼女に協力を仰ぐつもりだ。
君たちの先生が行っていた研究と、いま私の友人が行っていることには共通点があってね。
なに心配はいらない…
私の友人は特殊調査員として、虚狩りに比肩しうると言われる実力者のひとりなのだ。

>先生の研究?

リン
つまり…
虚狩りと同レベルのすごい調査員が、私たちを手伝ってくれるんですか?
それに先生の研究とも関係がある…?

市長
その通りだ。
彼女は近々、所用のためにヤヌス区を訪れるらしい。
本来なら正式な面会の場を手配するのだが、そちらは不要だと言われてしまってね。
なんでも、彼女の方で君たちを観察して、接触するタイミングを計りたいそうだ。
詳しいことは、向こうからアプローチがあるまで待っていてくれ。
さて…
ここまで聞いてくれたからには、二人とも今回の依頼に異議はないということでよろしいのだろうか?

ビビアン
…はい。

>私もありません

リン
私たちだって、新エリー都がパニックになることは望んでませんから。
全力を尽くします!

市長
わかっている。
君たちは、きっと私を失望させることはない。
立場上、私たちは友人になれないかもしれない。
だが、決して敵でもない。
後のことは君たちに任せる。
通話はこちらから切らせてもらおう。
それではまた。

…バレエツインズに行ってライカンさんと話そう…

ライカン
お二方が引き続きご協力くださること、大変嬉しく存じます。
あなた方にお力添えいただければ、此度のサクリファイス回収も滞りなく運ぶことでしょう。
それでは、少々私用がございますので、お先に失礼させていただきます。
お役に立てることがあれば、いつでもご連絡をください。

ライカンさんはそう言うと、その場を離れた…

市長が提供した座標に行って、サクリファイスを回収しよう


…サクリファイスの休眠体を探しに行こう…

ビビアン
「パエトーン」様、今すぐ出発しますか?

①今すぐホロウに入ろ

ビビアン
わかりました、いざ出発なのです!

-------------------------

②ちょっと待って

ビビアン
では、わたしはここで「パエトーン」様をお待ちしています。

-------------------------

ビビアンの古い友人と会うために、一緒にルミナスクエアまでやってきた。

ビビアンには手伝ってくれる古い友人がいるみたい、彼女と一緒にその人たちにお願いしに行こう。

…ビビアンと一緒に調査しよう…

ビビアン
「パエトーン」様、準備ができましたら、聞き込みに参りましょう!

①今すぐ行く
②ちょっと待って

ビビアン
最近、古い友人がいくつか新しい情報を掴んだと言っていました
その人はわたしにとって、半分先生のような人で…
インターノットにおける情報収集のイロハは、彼女に教わったのです

「古い友人」
ビビアンが情報を探ることで頼った古い友人とは、まさかのレインだった。
彼女からは、レイヴンロック家が報告した鉱山事故は嘘だったという情報が提供された…


ビビアン
お久しぶりなのです、レイン。

レイン
うん、久しぶり。

①レイン?

リン
レイン!?
あんたたち、まさか知り合いだったの?

レイン
そうだよ。
「パエトーン」、久しぶりだね。

ビビアン
レイン?
ま、まさかあなた、こちらの「パエトーン」様が「パエトーン」様だと…
じゃなくて、リン様の正体が「パエトーン」様だと知っていたのですか?

レイン
わたしも知ったのは後からだけどね。
前にちょっとした事件があって、そのときニコが繋げてくれたんだよね。
正体を知ったのはその時。
普通の人は気づかないよね。
伝説のプロキシが、そのへんでビデオ屋やって生計立ててるなんて。
そういえばビビアン、きみの「推し」って…

ビビアン
レレレレ、レイン!
そんな昔のことは今どうでもいいのです!
「パエトーン」様にとっては面白くもなんともない話なのですから!

レイン
どうしたの急に?
店長さんも六分街に住んでるんだしきみの「推し」のこと、知ってるかもしれないじゃん。
ほら、きみ…
インターノットの投稿見て、六分街が発信地点だって突き止めたじゃん。
それから辺り一帯探し回ってさ…
結局、しょんぼりして帰ってきて、なんかわめきちらしてたっけ。
たしか、黒猫しかいなかったんでしょ?
発信地点には…
きみの推しはしゃべる猫だったとか、そんな感じ?

①その黒猫、知ってるかも…

リン
その黒猫、たぶん私も見たことあるよ。
よくおやつあげてるの!

ビビアン
「パエトーン」様、あの、どうかもう、何も言わないで…

レイン
まったく水くさいよね。
もうずいぶん経つって言うのに、誰のことかまだ教えてくれないんだから。
わたしのスキルなら、もうとっくに見つけてあげてたよ?
憧れの人と会うために、きみはもう十分頑張ってきた…
そうでしょビビアン。
少しくらいわたしに頼ったって、きみの推しは怒らないよ。

ビビアン
レイン、わたしはいま心から、あなたに会いに来なければよかったと…
思っています。

レイン
え?
どうして?

>(ビビアンのために話題を変えてあげよう

リン
えっと…
レイン、ぼちぼち本題に入らない?
なんかおニューの情報があるんでしょ、ビビアンから聞いたけど。

レイン
わかったよ。
それじゃ、比較的確かなことから話そうか――
レイヴンロック家が報告した、例の失踪した労働者たち…
事故で亡くなったって言うのは嘘。
その労働者たちの信号が最後に確認されたのはホロウの近く。
だからわたしは彼らがホロウに連れて行かれたんじゃないかって疑ってる。
昨日、レイヴンロックが秘密裏に何人か雇って、ホロウを中心にあたりを捜索させてるのを検出したから。
意味不明な救助信号を発信した人物を特定して、情報源を傍受したの。
けど、こっちからコンタクトしようとしたら、その信号は完全に消えちゃった。
信号が最後に現れた場所は、ルミナスクエアの近く。
リアルで人を探すのは得意じゃないから、あとはきみたちで捜して。

>他の情報は?

リン
わかった。
近くを調査してみるよ。
それで、確かなことから話すって言ってたけど…
逆に確かじゃないほうっていうのは?

レイン
ネットの情報をいくつか拾ってたんだけど、その中に気になるものがあったんだ――
ちょっと前、港に近いとある廃倉庫から恐ろしい声が聞こえてきたんだって。
シャッターはしっかり締まってたみたいだから、中で何が起こってたのかはわからない。
きみたちが追ってることとの関係も定かじゃないけど…
この辺りで手がかりが見つからなかったら、そっちをあたってみるのもいいかもね。
わたしの情報はそんなとこかな。

ビビアン
ありがとうなのです、レイン。

レイン
やめてよ改まって、知らない仲でもないのに…
鳥肌が立っちゃう。
それと、今回だけ情報料はタダでいいよ。
ビビアンも前、わたしのためにタダで頑張ってくれたしね。
恩返しだと思って。
もちろん、きみの「推し」のこと…
調べたかったら私に頼んでくれてもいいから。
わたしもすごい気になるし――

ビビアン
だ、大丈夫です!
自分で解決してみせます。
レイン、あんまり詮索好きなのは感心しないのです!

レイン
詮索だなんて。
きみがそれだけ長いこと捜してる理由が、職業柄気になるだけだよ。
まあ、その人が実際に誰であれ、きみにとってはもう自分の一部みたいなもんじゃないの。
ビビアン、「追っかけ」の過程できみは、ずいぶん成長したみたいだから。
昔のきみより、今のきみの方がわたしはもっと好き。
だからもしその人を探し当てても、会うのをためらう必要なんてないからね。
今のビビアンが嫌いな人なんていないよ。

ビビアン
レイン…

レイン
現実世界のほうがどうなっても、あんまり気にしないタチだけど…
わたしの知ってる人にはなるべく元気でいてほしいからさ。
だから、このことはきみたちに頼んだよ。
じゃあ、わたしは用事があるから先に行くね。
後のことはよろしく。

レインは手を振って別れを告げ、去って行った。
ビビアン曰く、知り合いにリアルでの人探しに強い人がいるらしい。
彼女についていくことにした。


ビビアンと一緒に、次の古い友人のところに行こう。

…ビビアンと一緒に引き続き調査しよう…

ビビアン
「パエトーン」様、そ、その…
レインの言っていたことは気にしないでください…
コホン、次の助っ人はもう目の前なのです。
早く行きましょう!

1ディニーボンプ
ンナンナ!
(お久しぶり!)

ビビアン
元気なのですね、おチビちゃん!

1ディニーボンプ
ンナナ〜
(うん!
あれからすっごくいいお友達ができたよ!)
ンナ!
(前にボクのお友達が病気になったんだけど、店長さんがそれを治してくれたんだよ!)
ンナ~
(キミたち知り合いだったんだね!
じゃあ、今度店長さんのところに行く時、キミにも会えるってこと?)

>知り合いだったの?

ビビアン
はいなのです、このおチビちゃんはわたしが前にアルバイトをしていたお店の店長がディスカウントストアから買ってきた子なのです。
ですがあの店長は超悪徳店長だったのです!
勝手に従業員の給料をカットするだけでなく、ボンプのメンテナンスもおざなりにしてました。

1ディニーボンプ
ンナ!
(そう!あの人!
すっごく悪かった!)

ビビアン
それで、ある時このおチビちゃんがちょっと故障したのですけれど、あの店長は修理代を惜しんで、この子を外に放り出したのです。
まったくなのです、バッテリーを交換すれば直せる程度の故障だったというのに…

1ディニーボンプ
ンナ!
(ビビアン、すごい!
ビビアン、バッテリーを交換してくれた!
ビビアン、いいやつ!)

ビビアン
わたしはバッテリーを交換してあげただけなのです、バッテリー代はあなた自身が貯めたお金で払ったのですから…

1ディニーボンプ
ンナ!
(うん!
ボクもすごい!
ボクが貯めた100ディニーで、ちょうどバッテリー買えた!)

(100ディニーで買えるボンプのバッテリーって、こういうことだったんだ…)

ビビアン
まったく、元気なのはいいことですけれど、前にもっと上手に生きなさいと言ったのに、何も身につけてこなかったのですか?

1ディニーボンプ
ンナ?
(身につけたよ!
通行人にお金をねだる!
1回触って1ディニー!)

ビビアン
すごいのですね!
もう富を生む方法を覚えたなんて!

①(ここはバラさないでおこう)
②(これも教わったことだったなんて)

1ディニーボンプ
ンナ?
(それで、今日は何の用?
喜んでお手伝いするよ!)

ビビアン
あなた、よくあちこちで遊んでいるでしょう?
そこで聞きたいのですけれど、ここ最近、変な人を見かけませんでした?

1ディニーボンプ
ンナ?
(変な人?)

ビビアン
具体的に言えば、弱ってそうで、怪我をしていて、怯えた様子で、人目を避けようとしてる人、なのです。

1ディニーボンプ
ンナ…ンナ!
(そうだね…あっ!)
ンナ!
(今朝、砂漠の方で一人見かけたよ!
そんな感じの人!)

①砂漠?
②郊外ってこと?

ビビアン
うーん…
おチビちゃんはそんな遠くまで行けないはずなのです。
その砂漠、おおかたあっちの子供用の砂場のことでしょう…
「パエトーン」様、見に行ってみましょう。

1ディニーボンプ
ンナ?
(ボク、お役に立てたかな?)

①立てたよ!
②とても助かったよ!

1ディニーボンプ
ンナ!
(ならよかった!
ボクも嬉しい!
これからもお手伝いするね!)
ンナ~
(大事なことがあるんでしょ?
いってらっしゃい!
また時間がある時に遊びに行くね~)

ビビアンの判断を信じて、一緒に子供用の砂場に行こう。

…子共用の砂場に行こう…

ビビアン
1ディニーボンプは、相変わらず可愛かったのです
でもまさか、「パエトーン」様もあの子を助けていたなんて…
やっぱり「パエトーン」様は、世界で一番優しいお方なのですね…!

ビビアン
どうやら、レインと1ディニーボンプが言っていたのは彼のようなのです。

ビビアン
少し距離を取ってください、「パエトーン」様。
あの精神状態です、過激な行動をとりかねません。
刺激に反応して、あなたに危害を加えてしまうかもしれないのです。
まずはわたしが彼に話しかけて、様子を探ってみます。

ビビアンは前へ出て、その弱々しい男性の肩をそっと叩いてみた――

「追憶のパズル」
労働者は生きた人間をサクリファイスに変える陰謀を証言し、私たちは薬物による制御実験のことを知らされた…
次の行動を準備する合間に、ビビアンと過去の話について語り合った…

弱々しい男性
ど、どうか連れ戻すのは勘弁してくれ…!
すまない!
オレが間違ってた!
もうあんたたちの金は要らない!
後生だから、頼む――

ビビアン
落ち着いてほしいのです…

弱々しい男性
あんたたち誰だ?
オレは何も話さないぞ。
放っておいてくれ…
オレは知らない。
何も知らないんだ…

ビビアン
わたしたちは治安局や調査協会のような当局の人間ではないのです。
ましてや、レイヴンロックの手の者でもありません。
あなたには何も無理強いしませんから、怖がらないで欲しいのです。

弱々しい男性
それならあんたたち、ななな、何のためにオレを探してたんだ…

ビビアン
わたしたちはただ、レイヴンロック家があなた方にどこで、何をさせたのか…
それを知りたいだけなのです。

弱々しい男性
言えない…
それは言えない!
オレには家族がいるんだ。
連中がオレの家族に手を出そうとしたら…
オレを見なかったことにしてくれ、そして何も聞かないでくれ…

ビビアン
今でも、ご家族に会いたいですか?

弱々しい男性
オ…オレにはあいつらに合わせる顔がない。
金に目がくらんで…
自業自得だったんだ。

ビビアン
ですが、あなたのご家族はきっと、あなたのことをとても心配しているはずなのです。
あなたを責めはしないのではないですか。

弱々しい男性
オレのせいだ。
全部オレのせいなんだ…
あいつらを巻き込む必要はない…

ビビアン
いま、大船は沈みかけているのです。
誰一人として逃れることはできません。

弱々しい男性
オレはただの小物だ。
いまさら、何かを変えられるもんか。

ビビアン
もしあなたが、まだ自分のご家族やお友達に対して未練があるなら、今のうちにこの災難が起こるのを止めるべきです。
蝶の羽ばたきでさえも、遠くで大波を引き起こすことがあるのです。
結末は、まだどうなるかわかりません…
ですが、もし何もせずにいるなら…
結末が訪れたとき、あなたはただ後悔するだけだと確信しているのです。
あなたを売ったりはしませんし、あなたが彼らと対面する必要もありません。
そのうえで、あなたの安全も保証します。
そして、またご家族に会えるようにも…
だからわたしたちに、何が起こったのか教えてほしいのです。

弱々しい男性
オレは…
ハルトマンは大金をちらつかせて、ホロウに入ることのできる労働者を募集していたんだ。
名目上は、「何か」の監視とのことだった。
金額からして、合法な仕事じゃないことはオレたちの誰もが薄々感じてた…
けどオレは、どうせ違法なエーテル資源の輸送か見張りか何かだろうとタカをくくって応募しちまったんだ。
そのあと、ハルトマンの部下が労働者たちをホロウに連れていった。
最初に連れてかれた場所には、なにやら特別そうな箱が置かれていたよ。
到着後、奴らから、オレたちのエーテル適性を高められるという錠剤を渡された。
ホロウでより長時間活動できるようになると言われたんだが…
きっとあの薬は、やばいやつだったんだろう…
飲んだ後のことはよく覚えてない…
意識が戻ったとき、別の労働者が目の前で死んでて…
オレの手には血がついていた…
そしてやつらに言われたんだ、オレはとてもいい実験体だと…
それで別の場所に閉じ込められて、またほかの薬を注射しようとしてきた。
俺はもう、どうなるか恐ろしくてたまらなかった…!
けど…
場所を移された先で、金髪の男がオレのところへやってきた。
「キャロット」を渡して、オレに立ち去るように言ってくれたんだ。
それでオレは逃げ出した…
人殺しになるなんてまっぴらごめんだ。
けど、わからない。
もしかしたらオレはもう…

ビビアン
あなたの周りで起きた死は、あなたのせいではありません。
ただ、彼らに利用されただけにすぎないのですから。
最初に彼らがあなたを連れて行った場所を、覚えていますか?
そして、箱の中身をあなたは見ましたか?

弱々しい男性
最初は…
屋上のような場所だったことだけ覚えている…
やけに高い建物にいるような感じだった…
けど、箱の中に何が入ってたのかは…
覚えてない…
嘘じゃないんだ!
やつらが飲ませてきた薬で幻覚が見えるようになった…
たったの一錠で、意識が自分のものじゃないように感じて…
記憶も途切れ途切れになってしまったんだ。
責任逃れでデタラメを言ってるワケじゃない、本当に覚えてないんだ…
何が起こったのか…

ビビアン
ええ、わかっているのです。
あなたは嘘なんてついていません。
あなたを守るよう人を手配しますので、安心して休んでください。
ご家族にも、手は出させないのです。
これが終わったら、きっとご家族と再会できるのです。

ライカンさんへ連絡を取り、ヴィクトリア家政に市長の名のもと男性を保護し、その存在を公表しないことを約束した。
やがてリナさんが男性を引き取りに現れ、市長の意向を伝えてくれた。
男性の説明を元に、彼らが集まっている場所を確認するつもりらしい。

ビビアン
ふう…

>落ち着いてるね、ビビアン

リン
前から言おうと思ってたけど…
ビビアン、あんたってこういうときもすっごく肝が据わってるよね。
パッと見の印象とは大違いって言うか…

ビビアン
最初からこうだったわけではないのです。
かつてのわたしは、何かにつけて逃げることばかり考えていました。
一度は、自分のすべてを投げだしたいと思ったことさえあります。
わたしの存在そのものが、痛みの根源のように感じられて…
いっそこの世界を離れてしまえば、もう痛くないのではと。

>ちょっと想像しづらい…

リン
そんなビビアン、あんまり想像できないかも…
最初に会ったときはオーラが強烈で、なんかもう怖かったし…

ビビアン
あの時わたしは、オークション会場で任務の真っ最中だったのですから。
それにレインも言ってくれたように、この数年でわたしはずいぶん成長したのです。

>レインといえば…

リン
レインっていえばだけど、ほんと奇遇だよね!
まさか私とビビアンに共通の知り合いがいたなんて。
それに1ディニーボンプまで知ってるんでしょ!
もしかしたら私とビビアンって、もう何度もすれ違ってたのかもね。

ビビアン
でしたら…
「パエトーン」様、ぜひ聞かせては頂けませんか?
あなたが今までどこへ行って、どんな経験をされたのか…

>赤牙組の話まで遡る…

リン
今まで、かあ…
思い返してみると色々あったなあ。
私とお兄ちゃんが、まず「パエトーン」のアカウントを失くしたとこからって考えると…
あー…
話すならいっそ、邪兎屋が赤牙組から「あれ」をぶんどったところから、だね…

ビビアンと一緒にルミナスクエアの川辺を歩きながら、かつてあった数々の事件について語らった。
彼女はそうした出来事に関わってこそいなかったものの、その舞台となった場所を訪れていた。
沙羅ゴールデンウィークの暴走したホロウには彼女の足跡があり、チートピアのサンドイッチには彼女の好きな味があった。
ボンプを助けたお礼ににゃんきち長官からもらった花も彼女は持っている…
改めて新エリー都にはそこかしこに偶然が転がっていることを実感した。
ついこの間知り合った人と知り合う機会が、実はこんなにあったのだ。
しばらく話していたら、食事の時間になっていた…

時の流れより身近で、宇宙よりまばゆい

リン
あれっ?
この辺じゃなかったっけ…
評判のお店でね ずっと行きたかったんだ〜!

ビビアン
「パエトーン」様!!

リン
えっ?
どしたの?

ビビアン
…その 六分街で黒猫を見ました
郊外のハーモニカを聞いて
零号ホロウの外で…
慰霊碑を訪れたりもしました
それは 偶然ではなくて…
あなたを…
ずっと 追いかけてて…
やっと会えたのです

「逆境と光明」
ビビアンは過去に人生の希望を全て失った時、誰かに救われたことについて語った…

「小さい頃からずっと、わたしは不幸をもたらす子だと見なされてきました」
いろいろな場所を転々としながら、たくさんの不幸を見てきたのです。

ビビアン
わたしが涙を流すたび、誰かが不幸に見舞われる。
そんな呪詛をあまたと聞いて…
自分の涙を、そして存在そのものを憎んだのです。
わたしを受け入れてくれた場所では、どこであろうと予期せぬ出来事が起きました。
多くの場所を転々とし、その度に同じ結末を迎えて…
もはやどこへ行けばいいのかも、わからなくなった…
そんなある晩、とあるスレッドで自分のことが議論されているのを見つけたのです。
そこではわたしの知っている人も、知らない人も、わたしが呪いをもたらしたのだと決めつけて…
ある人は悪意から揶揄し、ある人はわたしに消えてほしいと願い、ある人は邪な憶測を広げ…
まるで、わたしの存在そのものが災いであるかのようでした。
そうしているうちに陽が落ちて、新エリー都のあちこちに明かりが灯りはじめます。
こんなにもたくさんの光があるのに、わたしはそのどれに向かうべきかわからない…
そうだ、いっそこの光の間に消えてしまえばいいんだ、と…

そうわたしが心に決めたときです、スマホが鳴りました。

「言葉にできないもの」
かつての何気ない一言が、ビビアンの人生を変えるきっかけとなった…

ビビアン
それは、あなたからのメッセージでした。
「パエトーン」様。

>私?

リン
えっ…?私?

ビビアン
はい。
もう一人の「パエトーン」様にも確認済みなのです!
その期間、アカウントを使って投稿をしていたのはあなたのほうだと。
ですが、きっとあなたは覚えていらっしゃらないと思います。
あれは、なんでもない日にネットに現れた、なんでもない投稿に過ぎないのですから。
それでも、わたしはその夜、ようやく自分がどこへ向かうべきかを知ることができたのです――
あなたが歩んだ道を歩き、あなたが見た景色を見たい。
いつかあなたの前で、そのすべてを直接伝えられるときまで。

>どんなメッセージだったっけ…?

リン
それで…
その時、私なんて送ったっけ…
ぜんぜん思い出せない!

ビビアン
そ、それは…
それは、「パエトーン」様がご自分で思い出してください!
わたしの口からは言えないのです!

>!

リン
えー!
何でそうなるの!?

ビビアン
「パエトーン」様、わたしは感謝しているのです。
ただ、あなたのお言葉でわたしを救ってくださっただけでなく――
わたしにこの道を歩ませ、今あなたの目の前にいる「ビビアン」にしてくださった…
そのことに。
「パエトーン」様。
わたしは今の自分が、とても好きなのです。

川面から吹く風がビビアンの髪を巻き上げ、彼女の顔をなでる。
彼女の目に宿った光は跳ねるように輝きながら、過去の良いこと、悪いこと、幸福なこと、悲しいことを語りたくてたまらないかのようで――
その感情と過去が交錯するさまは、これまで彼女が歩んできた道を彷彿とさせた…

ビデオ屋に戻って、手に入れた情報を一緒に整理しよう。

…ビデオ屋に行こう…
★目的地以外
ビビアン
先程ライカンさんから連絡がありました。
どうやら進展があったようなのです
今からビデオ屋に戻って、確認しましょう

「機先を制す」
市長側は調査後、ハルトマンと讃頌会がサクリファイスのコアの取引をする場所を特定した…

アキラ
リン、おかえり。
少し前、ライカンさんに言われたんだ。
君たちが戻ったら、オンラインで話したいことがあるそうだよ。
さっそくかけてしまうよ。

ライカン
プロキシ様、ビビアン様。
リナに護送させた男性ですが、すでに落ち着きを取り戻されました。
私共は彼の説明をもとに、ハルトマンがサクリファイスのコアを隠している場所を特定しましてございます。
また、これも彼からの情報ですが、ハルトマンはあのコアを何やら取引に使うつもりであるとか。
おそらくその相手となるのは、讃頌会の一員でございましょう。

ビビアン
やはり、そうだったのですね…
ですが、コアの隠し場所が特定済みなのであれば、取引の前にかすめ取ってしまえばいいだけなのです。

ライカン
まさしく。
可能であれば、一刻も早く目標地点へと赴きサクリファイスのコアを手に入れて頂きたいのでございます。

>私たちに任せて

リン
うん。
私たちに任せて!

ライカン
申し訳ございませんが、こちらはまだ処理しなければならないことがあり…
コアの奪還については皆様にお任せするほかありません。
ですが、以前市長閣下がお約束してくださった「支援者」が、今回は皆様の一助になることと思います。
座標は彼女に伝えてありますので、目標地点にて皆様と合流できるでしょう。
皆様のご武運をお祈りしております。

ハルトマンがサクリファイスのコアを隠している可能性がある場所を知った、ビビアンと一緒にその場所に行こう。

…ホロウに行って取引を止めよう…

ビビアン
「パエトーン」様、準備できたらすぐに出発しましょう。
ハルトマンに先んじて、サクリファイスのコアを手に入れるのです。

①出発しよ!
②ちょっと待って

>≪サクリファイスのコア

ビビアンの調子が良くないみたい、やっぱり戻って休む前に、まずはビビアンと話してみよう!


…ビビアンと話そう…

ビビアン
「パエトーン」様はきっともうお帰りですよね…
讃頌会のことは…
また明日、「パエトーン」様に説明するのです…

「ビビアンの祝福」
ビビアンは過去に讃頌会に引き取られ、当時の讃頌会責任者であるランドンがサクリファイスを作っていた秘密に気づいたと語った…

ビビアン
「パエトーン」様、もう帰って休まれますか?

>ビビアン、落ち込んでる?

リン
別に私は急いでないよ。
むしろ、ホロウを出たあとあんたがどんどん落ち込んでるから…
そっちが心配。

ビビアン
わたし…

①何かあるなら、話して

リン
モヤモヤしてるなら、私に話してみて。
こう見えてけっこう聞き上手だよ!

ビビアン
他でもない「パエトーン」様に、過去を隠すつもりなんてなかったのですが…
小さい頃から不幸をもたらす人間だと見なされてきたわたしは、どこへ行っても長くは留まれませんでした。
ランドンがわたしを養女にして、讃頌会に連れて行くまでは。
ディナと出会ったのはその時です。
彼女はわたしを快く受け入れてくれて、実の妹のように接してくれたのです。
ディナは父親であるランドンを大変誇りに思っていて、彼がいつかみなを、ホロウの恐怖から解放してくれる…
そうしきりに言っていました。
あらゆる命が、ホロウの内外を問わず自由に生きられるようになるのだ…と。
ディナはそんな父親を手伝い、「祝福」と呼ばれるものを「授かる」人間を選別する役を担っていたのです。
讃頌会の誰もが彼女を尊敬していました。
「祝福」を授かることで、より優れたエーテル適性に恵まれ、ホロウへの出入りが容易になります。
突発的なホロウ災害を恐れる必要もなくなるのです。
当時、ディナとわたしは毎日のようにおしゃべりしていましたが、彼女の話題と言えばもっぱら讃頌会と父親のことでした。
ですが、ランドンがわたしにディナの代わりをさせるようになってから…
わたしたちの関係は変わり始めたのです。
ランドンは言いました。
わたしはただ不幸をもたらす存在などではない…
彼の言う通りにすれば、誰かを救うことができるのだと。
それからというもの、ランドンは定期的にわたしを人に引き合わせ、わたしが涙を流したときだけ、彼らに「祝福」を…
そう呼ばれている薬を授けました。
そうして「祝福」を授けられた人は、災いを避けることができる…
最初はとても嬉しかったのです。
自分が誰かを救うことのできる喜びを、ディナにも共有したいと思いました。
ですが彼女からは、だんだんと距離を置かれるようになり…

>「祝福」の薬…まさかサクリファイス化の注射?

リン
「祝福」の薬ってまさか…
ブリンガーが持ってた、あのサクリファイスになっちゃう注射じゃないよね…?

ビビアン
そのまさか、なのです。
正確に言えば、ランドンが作成した薬は比較的初期のもので不安定でした。
短時間で能力を大幅に向上させられる一方で、エーテル侵蝕症状の進行も早めてしまうのです。
投与された人のほとんどは最終的にエーテリアスとなってしまいますが、ごく少数だけが「サクリファイス」へと変化します。
ただその過程で、人間であったときの意識はどこかへ行ってしまうのです。
エーテリアスはその場で処分され、サクリファイスは讃頌会の上層部に献上されますが…
讃頌会の理念において、サクリファイスは人間の意識を保っていることが望ましいのです。
ですからランドンの薬は、本当の意味で成功していたわけではありません。
讃頌会内部で、彼が次第に影響力を失っていったのもそのためでした。
…そんなとき、わたしがディナの前で涙を流す日が訪れます。
ランドンはそれを、自身の信頼回復に使えると思ったのか…
自分の娘に、「祝福」を授けると決めたのです。
わたしはずっと、「祝福」は良いことだと信じていました。
ですがあの日、ディナの顔に浮かんだ驚愕と恐怖を見て、初めて疑いが芽生えたのです。
その日の晩、わたしはついにランドンの決めた掟を破り、讃頌会の住居を出ていく彼を尾行しました。
そうして行きついたのはホロウ、かつて「祝福」を授けたはずの人が徐々に侵蝕されていく現場でした。
やがてその人はエーテリアスとなり、それをランドンは…
…躊躇なく、殺したのです。
ランドンが気付く前にわたしは住居に戻り、彼の書斎に侵入しました。
先ほどお話しした真実は、そこで知ったものです。
ディナが「祝福」を授かるまで、もう時間がありませんでした。
わたしはディナを救いたかったですし、これ以上騙される人が現れてはいけないとも思いました。
ですからその日が来た時、わたしは皆にむけて言ったのです。
本来「祝福」を受けるべきなのはディナではなく、ランドンなのだと
最初こそランドンは抗弁して、そこにいた人々も信じようとはしませんでしたが…
そこで、わたしは皆の前でランドンを見つめ、わざと涙を流しました――

ビビアンはその日起こった事について話し始めた――

「烏合の衆は明日を讃頌する」
ビビアンは思い出す、ディナを助けたい一心で、「祝福」を授かるべきなのはランドンだと指名し、ランドンの死を招いたその日のことを…

ビビアン
ランドン様、どうかご自身に祝福をお授けください!

ランドン
ビビアン、貴様ッ…

女性信者
どうして拒まれるのですか?
まさか、私たちをずっと騙していたと?

ランドン
恩知らずの愚民どもめ、貴様らにもう価値などない!

信者の子供
ひっ…

女性信者
嘘つき!

男性信者
は、早く逃げよう!

ビビアン
目を覚ましてください、ディナ!
早く行かないと!

ディナ
ビビアン…
一体何が…

ビビアン
ランドン様の言う「祝福」、その正体は――

ディナ
お父様!

カミエル
違うの、私はただ…

信者の子供
ママ、お家に帰りたいよ…

男性信者
僕たちは関係ない…
これは、これは祝福を授けなかった代償だ…!

ディナ
ビビアン、これはあなたが…?

ビビアン
ディナ、わたしはただあなたに祝福を受けて欲しくなかっただけで――
だって祝福を受けたら…!

ディナ
私だって、お父様を失いたくなんてなかった。

ビビアン
あなたはずっと、彼がしていることを知っていた…
それなら、どうして…

ディナ
お父様は私の唯一の家族だった…
自惚れないでビビアン。
あなたは不幸しかもたらさない、いつだってそう…

「不幸な人」
過去を思い出したビビアンは自責の念に駆られたが、励ましを受けた後、彼女は再び前を向く力を得た。

ビビアンは声を震わせながら、過去を話し終えた…


ビビアン
ランドン亡きあと、てっきりディナは讃頌会を離れたと思っていたのです…
あの男が遺した物を引き継いでいたばかりか、カミエルまでもが彼女の傍にいるなんて…
カミエルの家族は、全員がホロウ災害で亡くなっています。
讃頌会の理念にとても共感していたのも、そのためです。
本質的に悪人ではなく、ただ…
希望を託せる場所が必要だっただけのこと。
彼女はかなり早い時期から讃頌会に参加し、ディナの成長を見守ってきました。
あの事件が起きたときだって、彼女はただデウスと

【?】本文

再び目が覚めた時は、既に昼頃だった…

お兄ちゃんは何か話したいことがあるみたい、何があったか聞いてみよう。

…お兄ちゃんと話そう…

アキラ
リン、ちょっと前、たまたま君がいないときにビビアンが店に来ていたんだ。

>何かあったの?

アキラ
サクリファイスのコアの件だけれど――
サクリファイスのコアがはじめて現れたのはあのオークションだったから、あの日以降の監視カメラのデータを調べるつもりみたいだ。
僕たちが知らないだけで、あの後に何かが起きた可能性もあるな。
監視カメラのデータを調べられれば、新しい手がかりが得られるかもしれない。
リン、いま時間があるなら、ルミナモールの近くに行ってビビアンと合流してくれ。

①今すぐ行くよ
②ちょっと待って

【?】ムービー2

早朝、ビビアンはオークションの控室で知り合いと情報を交換していた。

【?】本文

ビビアンはショウルと別れ、休憩室を後にした…

ビビアン
「パエトーン」様!
お待ちしておりました!
昔のバイトの後輩が、ちょうどそのオークションで働いていたのです。
彼女から聞きました、ヒューゴが過去に一度、監視カメラのデータを一つ取り出し、持ち去ったそうなのです。
わたしが思うに…
ヒューゴは何かしらの策略があるから、そのデータを隠すことにしたのかもしれません。
ですが…
ヒューゴがここに来た時間さえ分かれば、彼がその映像テープをどこに置いたか、大体想像がつくと思うのです!

①どうやってそれを?
②え?

ビビアン
わたしたちはこれでもモッキンバードですから、人目を避けてやり取りするような手品ができても、至極普通なこと、なのです。
わたしたちは過去に一度、行動中に通信設備を使うのが不都合だった時がありました。
それでヒューゴは数羽の鳥を訓練し、発信機を付けて、わたしたちの連絡手段として遣わしていました、任務が終わった後は、鳥たちの自由を束縛することはなかったのですが…
先ほど発信機の記録を調べたところ、ヒューゴが監視カメラのデータを取りに行った日、そのうちの一羽は、オークションの近くまで移動していました。
その後も時々、この近くまで飛んで来るようになっています。
この発信機は大まかな位置情報しかわかりませんが、これは恐らく…
ヒューゴが残してくれた手がかり、なのかもしれません。
わたしの推測が正しければ、その鳥がいる場所は、ヒューゴがデータを隠した場所なのです。
ヒューゴが今回、どの鳥を遣わしたのかまではわかりませんが。
あの時に選んだ鳥はみんな、基本的に黒い羽を持っていました。
「パエトーン」様、手分けして近くで探してみましょう。
鳥を見かけましたら、写真を撮ってわたしに送ってください。
それで判別できますから。

-------------------------

ビビアン
ヒューゴでしたら…
ビデオテープをどこに隠すでしょうか?


ビビアン
「パエトーン」様、鳥は見つかりましたか?

>まだ見つかってない…

ビビアン
手分けして探しましょう、近くのどこかにいるはずなのです!

-------------------------

ビビアンの説明に従い、近くで黒い鳥を見つけて、写真を撮って彼女に送ろう

…黒い鳥を探そう…

【?】がぞう

(うーん…
ペンギンもある意味では…
一種の鳥?)
(それに、ボンプを使って連絡する、というのも合理的に聞こえる。)
(もしかしたらこの子が…?
とにかく、写真を撮ってビビアンに送ろ!)

ペンギンの形をしたボンプの写真をビビアンに送ると、三点リーダーの返事が帰ってきた。
この子じゃなかったみたい…
他の場所でまた探してみよ!

-------------------------

ビビアン
ここは、いつもこんなにハトがいるものでしょうか?

ビビアン
こちらから羽音が聞こえたので、来てみたのですが…
残念ながら、あの子たちではないのです。
あの時の鳥には、真っ白の子がいませんでしたから。
引き続き手分けして探しましょう、近くのどこかにいるはずなのです!

-------------------------

…黒い鳥を探そう…

【?】がぞう

(ふわふわで柔らかそうなもふもふだぁ…
ヒューゴが任務執行用に選んだ鳥とは想像しづらいけど…)
(でも、確かに体に黒い羽がある、もしかしてこの子なんじゃ?)
(とにかく、写真を撮ってビビアンに送ろ。)

パンダ色でぽっちゃりした鳥の写真をビビアンに送ると、「違うのです」という返事をもらった…
他の場所でまた探してみよ。

-------------------------

ビビアン
かわいくって、やわらかくって…
今度ヒューゴを説得して、連絡にはこのおチビちゃんを使わせるのです…!


ビビアン
とっても可愛らしいですが、この子はヒューゴが連絡用に訓練しようと選んだ鳥ではないのです…
引き続き手分けして探しましょう、近くのどこかにいるはずなのです!

-------------------------

…黒い鳥を探そう…

【?】がぞう

(黒いカラス、暗い路地裏…)
(先入観も入ってるけど、ここは確かに物を隠すのにぴったりかも!)
(このカラスを撮って、ビビアンに送ってみようかな。)

ビビアンが写真を受け取ると、すぐに確認した――
このカラスだった!
しばらくしてすぐ、彼女がここに来て合流した…

ビビアン
この子なのです!
こんなに早く見つけられたのは、全て「パエトーン」様のおかげなのです!
この子がここにいるなら、ヒューゴが隠したビデオテープもあれらの箱の中にあるに違いありません。

箱の中をしばらく探した後、確かに監視カメラのビデオテープが出てきた。
しかし、それはすでに破損していた――
ビビアンと話し合った結果、一緒にビデオ屋に戻ってテープを修復し、中身を確認してから次の行動を決めることにした。

ビビアンと一緒にビデオ屋に戻って、ビデオの修理をFairyにお願いしよう

…ビデオ屋に戻ろう…

ビビアン
このビデオテープ、まだ直せそうでしょうか?

アキラ
問題ない、Fairyがデータを修復してくれている。

「駒を動かすのは誰なのか」
監視カメラの映像で、カミエルとヒューゴの内密な計画が明らかになった。
ビビアンと私は若き富豪を装って、レイヴンロック家の晩餐会に潜入し、ハルトマンの書斎で重要な情報を調べることにした。

ビデオテープの監視映像はFairyによって修復され、再生された。
その驚くべき内容は――

ヒューゴとカミエルの会話だった。


ヒューゴ
俺の推測に間違いがなければ…
貴女とビビアンは、同じことをしようとしているな。

カミエル
……

ヒューゴ
沈黙、か。
このような歓談の場では、けしてよい習慣とは言えないと思うが。

カミエル
私はただ、ディナが…
あの子が引き返せなくなる日が来ないことを願っているだけです。

ヒューゴ
ほう?
あれだけのことをした彼女に、まだ引き返す余地があると思っているのかね?

カミエル
ランドンの薬の製造法は失われましたが、薬そのものは一部残っています
ディナが開発した人間の精神をコントロールできる薬とかけ合わせれば、制御可能なサクリファイスを生み出すことができる…
それがあの子の狙いです。
ですが、サクリファイスの休眠体とランドンが遺した薬を全て処分してしまえば…
それですべて終わりです。
ディナの薬にはサクリファイスを作り出す効能はありませんから。

ヒューゴ
では、サクリファイスのコアは?

カミエル
あれは、始まりの主のものです…
彼女の手にあるべきではありません。

ヒューゴ
ハッ…

カミエル
ランドンのやり方は堪えがたいものでした。
ですが、始まりの主と讃頌会が私たちを導く方向については否定しません。
私はただ、あの子が父親の過ちの中で一生を送ることを望んでいないのです。

ヒューゴ
嘲笑するつもりはない。
ただ、貴女の守りたいという気持ちが…
なんとも歯がゆいばかりでね。

カミエル
……

ヒューゴ
俺が休眠体の在り処を突き止めた暁には、折を見て貴女にご一報入れるとしよう。
俺としても、こちら側の人間に危ない橋を渡らせるのは本意ではない。
サクリファイスのコアに関しては、彼女には渡さないと保証するに留まるがね。
さて、この一件がどのように落着するかは…

カミエル
始まりの主が、私を導いてくださいます。

モニタリングの内容はここで突然途切れた。

ビビアン
カミエルは本当に、サクリファイスの休眠体を破壊して回っていたと言うのですか?

>ヒューゴはどうして黙ってたんだろ…

リン
そういうことなら、カミエルがあの時やってたことも納得できるけど…
なんでヒューゴは黙ってたわけ?

ビビアン
…。
ヒューゴは…その…

アキラ
リン、ライカンさんが緊急の用事だそうだ。
今すぐ電話してくれ。

>まずライカンさんに電話しよう

リン
わかった、ひとまずはライカンさんに電話だね。

ライカン
プロキシ様。
突然のご連絡、まことに申し訳ありません。
しかしながら、私共のほうに情報が入りましてございます。
今夜、レイヴンロック家が晩餐会を主催するとのこと。
更に此度の晩餐会は、特別に一族の人間がビジネスパートナーを招くことを許された、またとない機会でございます。
近頃ハルトマンが世間の注目を浴びている一方で、レイヴンロック家の中には、この機を利用して彼に成り代らんとする者もいるようです。
かねてより市長閣下は、少なくない遺産を継承した若き富豪が名門一族の協力者を探している…という偽の情報を流されておりました。
そしてこの情報が、折よくレイヴンロック家のバートンという若者の関心を引いたのでございます。

ビビアン
つまり、こういうことなのですか?
わたしはうら若き富豪を装って晩餐会に潜入し、そのバートンとやらに接触しなければならないと?

ライカン
まさしく。
そして、レイヴンロック家の邸宅に入ることができれば、そこにはハルトマンの書斎もございます。

ビビアン
ふん、あの男の書斎に忍び込めれば、何かしら価値ある情報が見つかるかもしれませんが…

>じゃあ私は?

リン
それで…
私は何すればいいの?

ライカン
コホン…
あなた様さえ宜しいのであれば、ビビアン様のパートナーとして共に会場入りして頂くことも可能でございます。

ビビアン
パパパパ、パートナーですか!?
お聞きになりましたか「パエトーン」様?
お聞きになりましたよね!?
ぜひともビビアンと一緒に参りましょうなのです!

ライカン
プロキシ様。
ビビアン様は、このようにおっしゃっておりますが…

ビビアン
ぜひご検討くださいなのです!
「パエトーン」様の存在そのものが、このビビアンにとって何よりの支えなのですから!

>一緒に行くよ

リン
いいよ。
ビビアンがそこまで言ってくれるなら、私も一緒に行く!

ライカン
それでは、バートン氏と落ち合う時間と場所を、お二人にお送り致します。

ライカン
万がいち危険に遭遇された際は、速やかに撤収を検討されるか、私めにご連絡を。
万事つつがなく運ぶよう、お祈りしております。

【?】タイトル

…【?】…

ビビアン
バートンと連絡がついたのです…
しばらくしたら六分街まで、晩餐会のお迎えに来てくれるって言ってたのです。

①晩餐会のマナーとかは…
②【?】少し緊張する…

ビビアン
ご心配なく、「パエトーン」様。
晩餐会における各種交際は、わたしにお任せください。
不届き者は決して、「パエトーン」様に近づかせないのです!
でも、夜までまだ時間がありますので…
晩餐会のお作法を解説するビデオを、一緒に観てみませんか?
わたしがはじめて任務で身分を偽って晩餐会に潜入した時も、ビデオを見ることで勉強しました。
観察程度で完璧に習得できるものではありませんが、今夜を凌ぐには十分すぎるはずなのです。

①それじゃ一緒に見よ!
②【?】一夜漬けならぬ当日漬けを…

ビビアン
ええ、再生中に重要なポイントがあれば、わたしも解説して差し上げます!

夜の作戦のために、急いで晩餐会のマナーを頭に詰め込んだ…
いつの間にか、夕方になっていた。


(【?】アキラ)

-------------------------


【?】


-------------------------

晩餐会までまだ少し時間がある、今のうちにビビアンと一緒に準備をしよう!

…晩餐会に向けて、少し準備しよう…

ビビアン
「パエトーン」様、バートンから駐車位置が送られてきているのです。
このビビアンと共に、晩餐会に赴く準備はできましたか?

①準備はバッチリ!

ビビアン
それではわたしが先にバートンと会って、車に仕掛けがないか確かめるのです。
安全を期して、「パエトーン」様は5分遅れて来てください。

-------------------------

②もう少し練習させて…

ビビアン
それではバートンに少し待ってもらいます。
「パエトーン」様が準備できたら、出発しましょう。

-------------------------

ビビアンが先にこの場を去った。
5分後、問題はなかったというメッセージが届いた、今すぐ彼女と合流しよう!

バートンの車はビデオ屋の向かいに停まっているみたい、今すぐ行こう!

…バートンを探しに行こう…

バートン
バンシー嬢、こちらのお方は…

ビビアン
ん?
どうしたのかしら?

バートン
えっと、僕が言いたいのは、こちらのお方はどうにも、ボディガードには見えないですが。

ビビアン
レイヴンロック家がわたくしの安全を守ってくださるのでしょう?
ボディガードを連れて来る必要なんてありまして?
彼女はわたくしのパートナーです。
レイヴンロック家の晩餐会は贅沢の極致で、外では味わえない食材も豊富だとお聞きしまして、ぜひ味わってみたいとお考えですの。
まさかあなたがたは、たった一人をお連れすることも許さないほどのケチでして?

バートン
もちろんそんなことはありません、バンシー嬢のパートナーも、僕の大切なゲストでございますから。
さあお二方、お乗りください。
僕の運転手が港までお送りします、その後はモーターボートで邸宅へ向かいましょう。

おおよそ1時間後、やっとレイヴンロック家の邸宅まで到着した…
バートンの案内で、厳重なセキュリティチェックをいくつも通過した後、ようやく会場までたどり着いた。

「食後のひととき」

若き富豪を装ったビビアンはバートンと駆け引きをし、利益のある取引を匂わせた後、バートンを行かせることに成功した。
そこから私たちは順調にハルトマンの書斎に潜入できた。
しかしその時、危険は迫ってきていた…


バートン
さてバンシー嬢、僕の誠意は十分にご覧いただけたかと思います。
次はあなたの番では?

ビビアン
誠意?
こうしてパーティーに足を運んだではありませんか。
これがわたくしの誠意ですわ。

バートン
バンシー嬢…
うわべだけの誠意では、この関係もあまり長続きはしませんよ。

ビビアン
あなたがたレイヴンロック家のやり方は、ようく存じあげていましてよ。
もし手ぶらで来ていたなら、わたくしたちは今夜…
このお屋敷から出ることすら叶わないでしょうから。
あなたのエスコートに応じ、こうして大切なパートナーも伴ってきました…
誰がなんと言おうと、これがわたくしにできる最大級の誠意ですわ。

バートン
またまた、お戯れを…
どうして僕ごときが、お二方の自由を縛ることができましょうか。

ビビアン
これが戯れかどうかは、互いによくわかっているはずでしてよ。
この場で社交辞令に終始する必要はありませんわ。
ここにいる大半の人々よりも、わたくしはよく知っているつもりです。
これまでレイヴンロック家が、如何にして財を成してきたのか…
そして、ハルトマンがあれほどの醜聞に見舞われてなお、権力を握っていられるのは何故なのか…

バートン
ほう、それはぜひとも聞いてみたいですね。

ビビアン
讃頌会、「祝福」、サクリファイス…
そして、ランドン。
どれからお聞きになりたいでしょうか?

バートン
どこでそれを…?
いえ、あなたはいったい何者です?

ビビアン
ふふ、あまり警戒なさらないでくださいな。
わたくしの記憶がたしかなら、いまは晩餐会のお時間ですわね?
わたくしとパートナーは少しお腹がすきましたわ。
それを放っておくのが、あなたがたのおもてなしでして?

バートン
……

ビビアン
お腹が満たされたら…
サクリファイスの在り処も、思い出すかもしれませんわね?

バートン
それを、知っているのですか?

ビビアン
さあ。
先に何か頂いても?
そうそう、期待していますわよ。
きっと「食後のデザート」は、特別なものを用意してくださるでしょうから。
あなたのご存じになりたいことは、甘いものに舌鼓を打ちながらでもお話できるはず…ですわね?

バートン
もちろんです。
ゲストを空腹のままにさせたとあってはレイヴンロックの名折れ…
「デザート」については、僕が自らご用意させて頂きましょう。
必ずや、あなたにご満足頂けるものをお出しします。
後ほどまたお伺いします。
それまではお二方、心行くまで当家の晩餐会をお楽しみください。

バートンは足早に立ち去り、ビビアンはようやくほっとした様子だった。

ビビアン
ああいう人と関わっていると、本当に神経が摩耗していくのです。
今まで、ヒューゴがどうやって耐えていたのか分かりません。

>「食後のデザート」?

リン
ねえビビアン、「食後のデザート」ってなあに?
なんか私だけ蚊帳の外っぽいけど…

ビビアン
いちおう、ヒューゴの手ほどきを受けていますので。
あのような場面における「食後のデザート」には、条件を上乗せしてくれたら応じる、という意味があるのです。
幸い、老獪なハルトマンは権力を失うことを恐れています。
サクリファイスの休眠体がすでに破壊されていることや、コアが偽物だったこと…
そのあたりは間違いなく、一族の人間には伏せているはずなのです。
バートンがああもアッサリと「デザート」を呑んだのは、その何よりの証明と言えますね。
さあ「パエトーン」様、晩餐会は始まったばかりでいまが一番賑やかなのです。
こっそりハルトマンの書斎を探しに行きましょう。

>うん、計画通りにね

リン
うん、さっきこのへんの構造を確認しといたよ。
もう少し人が増えたら、会場の隅にあるドアから庭園に出よ。

ビビアン
はい!
「パエトーン」様にぴったりくっついていきます!

計画通り、ビビアンと一緒にパーティー会場を抜け、そのまま屋敷の奥へと進んだ。
それほど時間もかからずにハルトマンの書斎は見つかったものの、カギすらかかっていなかった――

ビビアン
少し…
うまく行きすぎている気がするのです。

>運が良かっただけかも?

リン
まあ、単純に運がよかったってこともあるよね。
それにこのお屋敷、外のほうをすっごく警戒してるぶん中は緩くなってるのかも。

ビビアン
ですが、万が一ということもあるのです。
ライカンさんにも連絡しておきましょう。

>まずハルトマンの書斎を調べよう

リン
ハルトマンの最近の取引とか、協力関係とか…
そのへんを調べたら手がかりがあるかもね。
それに…
サクリファイスのコアも、やっぱり気になるし。

ビビアン
そうですね。
ディナに渡そうとしたコアが偽物だったとはいえ、本物を隠し持っている可能性がないわけではないのです。

>じゃあ、手分けして探そう

リン
じゃ、手分けして探そっか。

ビビアンと共にハルトマンの書斎をしばらく探してみたものの、まったく成果がなかった。
その時、突然書斎の外から足音が聞こえ咄嗟に机の後ろへと身を隠した――

「逃げ場はない」

ハルトマンはビビアンと私たちの潜入を見破り、双方が対峙する中、ハルトマンは自らの野望を示し、この機に私たち二人を排除し、家族の権力を掌握しようとした…

ハルトマン
お二人とも…
レイヴンロック家のもてなしはお気に召さなかったかな?
それとも何か…
満たされぬあまり、こんなところまで食い物を探しに来たのかね?

ビビアン
……

ハルトマン
まだ出てくる気はないか。
まあ、無理もない。
どのみちお前たちにとってこれが最後の時間だからな。
バートン…
とんだ愚か者め。
つまらん野心を滾らせたあげく、市長の罠にはまるとはな。
だが結果として、お前たちのほうから俺の縄張りに転がり込んできてくれた…
これは予想外だったぞ。
むしろバートンのやつには、感謝しなければならないかもな。
お前たちを始末する方法を、わざわざ考えずに済んだのだから。
ビビアン嬢、それに「パエトーン」よ。
あの世でヒューゴによろしく言っておいてくれ。
そうそう、これも頼む――
レイヴンロック家の財産も、権力も、すべてこの俺が頂くとな!

「モッキンバードの復活」
危険が迫る中、ヒューゴが再び登場した!

ハルトマンは銃を構え、机に狙いを定める――
しかし、銃声は鳴らなかった。
薬莢の軽やかな音とともに、聞き覚えのある声が響いた。


ハルトマン
た、弾が…
なぜだ…?

ヒューゴ
まったく…
親愛なる叔父上、俺と貴公の仲ではないか。
言伝などする必要はない、直接俺に言えばいいだろう。

ハルトマン
ヒューゴ!?
ばばば、バカな…!
お…お前はたしか…

ヒューゴ
叔父上。
レイヴンロック家の者は、目的を達成するまで決して諦めない。
まだ、貴公を高みから引きずり降ろす道半ばなのだ。
どうして俺が早々にこのゲームを降りれようか。

ハルトマン
薄汚い雑種め…!
こんな小細工を弄することしか貴様には能がないのか!

ヒューゴ
小細工?
ハハハハッ…!
聞きたいかね?
死さえも欺く小細工を以て、俺が何を成し遂げたのか…
我が親愛なる、叔父上。

しばらく前…

ヒューゴ
死の偽装…
この芝居に見合った結末となればよいのだが
ハルトマンの油断を誘うためだったとはいえ…
店長くんには、折を見て詫びねばな
ふむ…
そうとなればライカンも連れて行くべきだ。
あの男も共犯なのだから

今日はライカンと約束した日だ、会いに行くとしよう。

…ライカンのところに行こう…

ライカン
…遅かったな

ヒューゴ
容赦を知らないやつだ。
少しは休ませてほしいのだがね

「モッキンバードの『小細工』」
ライカンとヒューゴは合言葉を用いて死を偽装し、人々を欺いた。
ヒューゴは予備の計画を明かし、ライカンは疑問を抱くも、二人は見事な連携を見せた。


ライカン
フン、思ったより長いこと寝込んでいたようだな。

ヒューゴ
ライカン、貴様…
俺の体力を買いかぶりすぎじゃないか?
だが、協力には感謝しよう。
細かいところはさておき、貴様の演技もだいぶマシになったようだしな。

ライカン
……

ヒューゴ
なんだ?
ずいぶんとご立腹のようじゃないか。
喜べよ、ライカン。
俺たちは完璧に息を合わせて、あの場にいた全員をみごと騙しおおせたのだから。

ライカン
「聖人君子のフリはやめろ」、か…

ヒューゴ
貴様がそれを覚えていたことは僥倖というほかない。
人の目を欺く術が、今もなお錆びついていなかったこともな。
それに、血糊やら小道具やらも仕込んでおいた甲斐があった。
この手を使うのはいつぶりだろうな。
覚えているか?
もうずいぶん昔のことだ。

ライカン
オレは、お前というやつがつくづく理解できん。
少しでも考えたか?
オレがあの言葉の意味を解さなかったら、協力する気が微塵もなかったら、あるいは力加減を間違えたら…
お前はどうなっていたと思う。

ヒューゴ
解せるだろう。
貴様ならな。
むろん、状況が変わっていたとしても、別のプランは用意してあったがね――
俺が貴様にすべてを賭けるとでも?
自惚れはほどほどにしておけ、ライカン。

ライカン
…狂っている。

ヒューゴ
お褒めにあずかり光栄だ。

「この身を囮に」
ヒューゴは死の偽装をもって各勢力の注目を引き、レイヴンロック家への復讐と讃頌会に対する調査を進める手はずを整えた。
ライカンの協力のもと、ヒューゴは港にある倉庫に身を隠し、自らを縛ることで最終プランを始める。
紛争を終わらせようとする彼は、この身を囮にして動き出す。

ライカン
それで?
これだけ手間をかけて自分の存在を消したのは、オレと昔話をするためじゃないだろう。
誤魔化そうとするな。
オレはお前にひとつ貸しを作ったんだ。
本当のことを言え。

ヒューゴ
そう焦るなよライカン。
何もかも教えてやろう。
これからの計画には、依然として貴様が含まれていることだしな。
何から話すか――
まず今の状況のままでは、ヒューゴ・ヴラドとしても、モッキンバードとしても俺は間違いなく死ぬ。

ライカン
多くの敵を作ったようだからな。

ヒューゴ
レイヴンロック家の人間としてエドモンドと交渉し、今後の計画のためにTOPSの後援を得た。
同時に…
連中が貴様の主人であるメイフラワー家に対して、どういう態度でいるかも確認できたよ。
その一方で、モッキンバードとしてハルトマンとも取引した。
讃頌会との結びつきを詳しく探り、ブリンガーの遺物に関しても情報を引き出すことができたのだ。
ああ、ついでに言っておくが…
貴様の親愛なる市長殿が受け取ったあの犯行予告も、俺が送ったものだ。
もっとも、彼の方ではとっくに調べがついていたのではないか?
貴様に伝えていたかどうかは知らんがね。

ライカン
サクリファイス襲撃の噂について、すでに市長閣下は独自の情報網から耳にされていたものの…
表立った行動を起こせずにいた。
犯行予告は、そのときを狙いすましたようなタイミングで届いたからな。

ヒューゴ
まだ手遅れになるほど愚かではないようだな。
まったく安心したよ。
わかるかライカン?
俺の情報が貴様らの一歩先を行っているのは、こうして長いこと大物たちの間を渡り歩いてきたからだ。
ゆえに俺はいつだって、何らかの代償を払わねばならないわけだがね。
それもまた公平というものだろう…
紙で火を覆うことなどできはしない。
慎重に火遊びをして自滅するくらいなら、いっそ燃えるに任せてしまえばいい。
燃えれば燃えるほどいいのだからな。

ライカン
くだらん芝居に付き合って、オレが皆の前でお前を「殺し」…
そのどさくさのなかでサクリファイスのコアはハルトマンの手に渡った。
あれも仕込みだったんだな。

ヒューゴ
効果てきめんだったろう?
今やあらゆる勢力の目は、俺でなくハルトマンに向けられている…
レイヴンロック家にとってこれ以上の牽制もあるまい。
裏で糸を引いている讃頌会からすれば、まったくいい迷惑だな。
それだけではない、ビビアンと「パエトーン」を俺から、モッキンバードから切り離す狙いもあった。
「パエトーン」殿には申し訳ないことをしたと思っている。
だが、目的のためにはどうしても必要でね。
ああすることで彼らの安全を確保し、次なる計画を滞りなく進められるのだから。

ライカン
…わかっていた。
お前はプロキシ様に、刃の背を向けていたからな。
つまり何だ、あの時お前が言ったことは、すべて…

ヒューゴ
この手を汚し、この身に罪業を背負って、深淵そのものになる」。
あの場にいた人間を欺くための、ちょっとした口上だ…
貴様も知ってのとおり、俺の演技はパーフェクトだからな。

ライカン
肝心なところを聞いていないぞ。
お前がこれだけのリスクを冒したのは…
いったい何のためだ?

ヒューゴ
正義のためだと言ったら?
信じるか?
残念ながらそうではない、俺はレイヴンロック家に復讐したいのだ。
捕食者が獲物を弄ぶように、悪逆非道のハルトマンを追いつめてやる。
もちろん、ビビアンに讃頌会の調査を手伝うとも約束した。
何のためと問われれば、それだけのためだ。
……

ライカン
どうした?
傷口が痛むか?

ヒューゴ
いいや…
だが、解決せねばならないことは山積みでね…
これは、その最初の問題だ――
ライカン、いい場所を知らないか?
誰にも見つからず、静かで、簡単には壊せないところだ…

ライカンはヒューゴを連れて、ポート・エルピスにある小さな倉庫までやってきた…
ヒューゴはこの場所が気に入った様子で、周りを少し見回った後、倉庫にある椅子に座って、ロープを取り出し…
自分を縛り始めた…?


「命を懸けた戦い」

ヒューゴはハルトマンの人の心を操る薬に対抗するべく、自分を倉庫の中に閉じ込めることにした。
旧友が繰り広げる己との戦いを、ライカンは見届けた。


ライカン
…何をしているんだ?

ヒューゴ
勘違いするなよ、変なシュミはない。
ハルトマンのやつが、最近妙な薬を手に入れた。
おおかた、讃頌会の物狂いどもが出所だろう。
なんでもその薬を使えば、ある程度まで「人の心を操れる」らしくてね。

ライカン
…お前、薬を盛られたのか

ヒューゴ
バカを言うなライカン。
ハルトマンがグラスに薬を盛るのを、俺はあえて見逃したのだ。
それを以って取引の成立とするためにな。

ヒューゴはライカンに、VIPラウンジでハルトマンと交渉した際の出来事を説明した。
あの時、ハルトマンが譲歩して協力に同意したのは、とある方法を思いついたからだった――
彼は赤色の酒に、人の心を操ることができる薬を加えた…
それ以来、ハルトマンはヒューゴと会う度に、相手のグラスに薬を少し入れて、その後に質問をし、重要な情報を引き出そうとした…

ヒューゴ
もちろん、作用に気付いたあとですぐに人を探して成分を調べさせた。
良いニュースは、大した量じゃなかったことだ。
ハルトマンはその場で俺に感づかれることを恐れたんだろう。
効き目の出るタイミングを遅らせる別の薬のおかげで、操られるには至らなかった。
親愛なる叔父上の前では、ちょっとした演技をすればいいだけだったよ。
悪いニュースは目下、まだ解毒剤がないことでね。
おまけに、無理やり遅らせていた効き目は身体の限界にともなって一気に炸裂するのだ。
そうなったとき、俺が正気でいられるかはわからない…
そうだ、今がその時だ。
俺は数倍に膨れ上がった薬の効果をまともに食らい、発作が収まるまで耐えねばならん。
だからしばらくの間、俺はこのガレージに自分を閉じ込めておく。
こうして手足を縛っているのも、暴れてそこらじゅう破壊したり、自傷することを防ぐためだ。
とにかく…
ここを出たら、どんな音が聞こえてもシャッターを開くな。

ライカン
…専門の医師に助けを求めろ。

ヒューゴ
求めた結果がこれだ!
それともなんだ、俺には乗り越えられないとでも?

ライカン
……

ヒューゴ
頼むライカン。
時間になったら、ここで俺を探せ――
なに、貴様はただ俺の勝利を目の当たりにして…
そうだな、笑えばいい。

ライカン
お前を止めると言ったら?

ヒューゴ
分かってるだろライカン。
これまで何度だってそうだったように――
貴様にはできない。
さあ、俺の時間はあまりない。
行け。

ライカン
…わかった。

ライカン
死ぬなよ、バカ野郎。

どれほどの時間が経ったのだろうか。
長きにわたる痛みを耐え抜き、ヒューゴはようやく昏迷から覚めた。
彼を縛っていたロープは、いつの間にか解けていた。
ヒューゴは細かく自分をチェックしたが、幸いにも、理性を失っている間にとりわけ多くの傷を作っていたということはなかった。
しばらくして、ヒューゴは服を整え、倉庫の扉を開いた。

…ライカンを探そう…

ヒューゴ
…これは…
薬の効果がまだ残っているのか?
あのライカンが時間に遅れるとはな…
それとも、間違えたのは俺か?
向こうに誰かいるようだ…
状況を尋ねてみるとしよう

???
全部お前のせいよ…
どうしてお前はそんな目を持っているの!?

ヒューゴ
……

???
お前がいなかったら…
私がここまで落ちぶれてなんかなかったのよ!
私は成功できたはずよ…
こんなにも長く耐えて…
長く計画してきた…
あと少しだけだった!
彼はもう応じてくれたっていうのに…
ヒューゴ…
彼にお願いしてくれる?
跪いて、なんでもするからってお願いしてよ!
私たちを連れ戻してって…
ダメ、今の彼はお前の顔が見たくないはずよ…
会ってはいけないわ!

ヒューゴ
…母上。

「不完全な子供」
ヒューゴは心の悪魔の誘惑に直面し、幼少期に母親から虐待されたことを思い出すも、殺戮と復讐を拒み、過去の呪縛を振り払おうとした…

母親
全部お前のせいよ…
お前なんかを、産まなければ…

その女性の顔は、ひどい憎しみと不本意で満ちていた。
まるで目の前にいるのが自分の子どもではなく、自分の未来を破壊する何かであるかのように——
彼女は自らの不幸のすべてを、この無実の子どもに全て押し付けていた。

ヒューゴ
……

母親
そうだ…
お前が死ねばいいんじゃないの?
お前さえ死ねば、あの人はまた戻ってきてくれる…
私たちはまた子どもを持てるわ。
レイヴンロックの血統を継ぐ、もっと完璧な子を…
そうなれば、私はこの苦しみから解放されるのよ!
だから、ヒューゴ。
お母さんの幸せのために…
死んでくれる?

母親が振り上げた手の中には、冷たく刃先を光らせるハサミがあった。
彼女はその鋭い刃先を、ヒューゴの色素の薄い目に突き刺そうとし――
次の瞬間、母親の姿は突然消え失せた。
まるで最初から存在しなかったかのように。

ヒューゴ
……
どうやら、まだ目が覚めていないようだな…

ヒューゴ(内なる悪魔)
あるいは、貴様が目を覚ますことを望んでいないか…

ヒューゴ
…誰だ?

ヒューゴ(内なる悪魔)
俺は貴様だ。
貴様の心の最も深いところにいる…
真実のヒューゴ。
本当は…
殺してやりたくて、たまらないのではないかね?
母親とは名ばかりの、あの女を。
あの女が理由もなく貴様を殴ったとき、貴様のその目を刺し貫こうとしたとき、狂ったように哄笑しながら貴様を地獄に売り飛ばしたとき…
その手で彼女を殺めたいと思ったはずだ。
なぜ自分の憎しみを認めてやらない?
いまの貴様ならできるのだぞ。
あの女を見つけ出し、その命を終わらせられる…
悪夢のごとき幼年期を清算しようではないか。

ヒューゴ
…そうとも。
俺は彼女を憎んでいる。
愚かで貪欲、目先のことしか見えていなかった。
およそ母親の器ではなく、レイヴンロック家に近づくためなら手段を選ばず、それで生涯の安泰を得られると信じて疑わない…
あわれな人だった。
自らがつかの間の存在だとも知らずに。
そんな彼女が選んだのは、憎悪の矛先を俺に向けること。
俺の異なる色を持つ瞳を、俺の存在そのものを呪った。
だが、俺は彼女を手にかけることはしない――
それで何も変わりはしないからな。
彼女はただ、俺を愛することができなかったにすぎない。
ちょうど彼女が自身を愛することができなかったように。

ヒューゴ(内なる悪魔)
…あの番犬に感化されでもしたか?
こんな状況にあっても、まだ歯を食いしばって寛容なふりをすると?

ヒューゴ
俺とあの男を一緒にしないでもらおう。
ただ、いくつかのことが明白となっただけだ。
愛も、憎しみも…
すべては俺が選択したことで、他の誰にも関係はない。

ヒューゴ(内なる悪魔)
貴様をレイヴンロック家に売った後、あの女は大金を手に入れた。
その金で新しい人生を始めたのだぞ――
そう、貴様のいない人生だ。
彼女が幸福な生を謳歌しているかたわら、貴様はあの巨大な邸宅で地獄を味わっていた。
そこに痛みはないのか?
憎しみは?
そのような仕打ちを受けねばならなかった理由を、問い質さずにいられるのかね?
あの女を殺せ。
殺すことでのみ、貴様は真に解放されるのだからな!

ヒューゴ
ああ。
俺も長いことそう考えていた。
だが今は…
異なる選択をしたいと思っている。

ヒューゴ(内なる悪魔)
やめろやめろ、自分を偽ろうなどとするな。
そもそも貴様に…
など存在すると思うのかね?
何一つ成し遂げられない弱者の思考だ。
かつてのように、あのお高くとまっている連中に踏みにじられるだけだぞ。
泥の中の草葉がごとく!
まだ理解できていないとみえる。
他者を踏みつけにせねば自分が踏みつけにされる!
この世界はいつだってそうだ。
先に刃を取らねば、その刃が向くのは己自身!
それを変える唯一の手段は、ルールを作る側に回ること…!
そう、「母親」のようにな――
あの仕打ちを甘んじて受けざるを得なかったのは、俺たちがあまりにも弱かったからに過ぎない。
俺の言う通りにしろ。
あの女を見つけて殺し、この世界に貴様の力を証明するのだ――
あれにはふさわしい報いだろう!
誰も許す必要などない。
やつらにその価値はない。

ヒューゴ
許しを与えるつもりはない。
とはいえ今のところ、彼らをそれほど気にかけているわけでもなくてね。
貴様はわからないか?
あるいは俺が生まれてこのかた、最も深く憎んでいるのは「他人」なのではないかもしれないと。
真に憎んでいたのは、あのとき無力ゆえにクローゼットで震えていた自分自身に他ならない。
非力で抗う勇気もなく、あんな仕打ちを受けてなお肉親の情愛を求め続けた卑しさが憎い。
真新しい傷の痛みが引かないうちから、次こそは暴力でなく飴玉が与えられるなどと期待していた…
それが貴様だ。
違うかね?
ゆえに…
俺は貴様を許そう。
俺自身を。

ヒューゴ(内なる悪魔)
……
後悔するぞ、愚か者め。
貴様がどんな御託を弄したところで、結局はここへ戻ってくることになる――
俺の前にな。

激しいめまいの後、ヒューゴは暗い倉庫の中で目を覚ました。
彼を縛っていたロープは、いつの間にか解けていた。
ヒューゴは湿り気を含んだ空気を大きく吸い込み、椅子から立ち上がった。
ヒューゴは服を整え、倉庫の扉を開いた。


ヒューゴ
…いまだ幻覚の中だったか
さて、次は誰とのご対面だろうか…

???
兄さま

ヒューゴ
…⋯!

セレナ
ヒューゴ兄さま、セレナとかくれんぼしましょ?
もういいよ~
いつものように、見つけてくれるよね?

ヒューゴ
セレナ…

…セレナを探そう…

セレナ
兄さま、セレナはそこじゃないわ
兄さまに教わったところよりも、見つかりにくい場所があったの

ヒューゴ
……

セレナ
ヒューゴ兄さま、どうして…?
どうしてセレナは死なないといけなかったの?

ヒューゴ
…俺の…せいだ…

セレナ
そう、兄さまのせい…
全部ヒューゴ兄さまのせいよ!
兄さまさえいなければ…
セレナはこんなことにならなかった!

…セレナを探そう

セレナ
そこもはずれ!
まだセレナを見つけられないなんて…
セレナのこと…忘れちゃった?

ヒューゴ
忘れてなど…いるものか…

セレナ
大丈夫よ。
セレナは許すわ!
昔みたいに優しくしてあげる…
あの子たちの中で、兄さまに優しくしたのはセレナだけ…
そうでしょう?

ヒューゴ
…ああ

セレナ
なら、どうして…
優しくしたのに報われないの?
どうしていい人ばかりが酷い目にあうの?
教えて…
ねえ、どうして!?

ヒューゴ
……

セレナ
ヒューゴ兄さま、迷子になっちゃったの?
さっきの場所に帰りましょ?
セレナがサプライズを用意したの!

…倉庫を見に行こう…

冷たい使用人
冷たい人ですね…

怒る使用人
まったく、気持ちの悪い落とし子ですこと!

不満そうな使用人
セレナ様にあれだけ良くして頂いたのに…
なんということを…

怒る使用人
どの面下げてこの家に居座っているんです?

冷たい使用人
最初からこの家に住まわせるべきでは…

不満そうな使用人
汚らわしい劣等な血…

「セレナ」
心の悪魔は再びヒューゴにセレナのことを思い出させた、あの家族の中で唯一ヒューゴに善意を示すも、非業の死を遂げた妹のことを…

ヒューゴは耳障りな罵声に包まれた。
その一つ一つの声が冷たい刃となり、容赦なく彼を刺し貫く。
怒りと嘲笑が一つに集まり、激しい潮流のように彼を少しずつ飲み込んでいく。
しかし、その波が頂点に達した瞬間、周囲のすべてが突然静止した。
空気が凝固したかのように騒がしい声が止まり、代わって深く重い、閉塞感のある静けさが広がった。
時間もろともこの瞬間にしたかのように感じられ、自身の激しい鼓動だけが静寂の中で響き渡った。


ヒューゴ(内なる悪魔)
言っただろう。
結局は、ここへ戻ってくることになると。

ヒューゴ
また会ったな、我が友よ。

ヒューゴ(内なる悪魔)
こうも言ったな。
俺は貴様だ――
貴様が認めまいとしているもう一人のヒューゴだと。

ヒューゴ
ああ、わかっているとも。
次はセレナのことだろう?

ヒューゴ(内なる悪魔)
いかにも。
俺たちにとっては腹違いの妹で、レイヴンロック家で唯一貴様に友好的だった人間だ――
惜しいかな、その優しさが彼女に早すぎる死をもたらした。

ヒューゴ
…俺のせいだ。

ヒューゴ(内なる悪魔)
何もかも自分のせいにしようとするんじゃない…
貴様の責任は俺の責任なのだぞ。
俺としては、あれが「俺のせい」だとは思わんがね。
いいか、母親は貴様をレイヴンロック家に売り渡した。
そして父親は貴様に才を見出し、子供たちの競争心を煽るため利用しようとしたのだ。

ヒューゴ
…我が兄弟姉妹たち。
初めて会ったその瞬間から、俺を排除しようとしていたな。

ヒューゴ(内なる悪魔)
やつらの目に、貴様は奴隷同然に映ったはずだ。
だがセレナにだけは、それを人として扱うだけの分別があった…
まさに、その分別こそが彼女を死に至らしめたわけだが。

ヒューゴ
…彼らは幾度となく俺を殺そうと試み、そのたびに俺の周到さに阻まれた。

ヒューゴ(内なる悪魔)
そうとも。
だからこそ、やつらはか弱いセレナを殺し貴様に濡れ衣を着せようとしたのだ。
セレナは貴様に代わって死んだ。

ヒューゴ(内なる悪魔)
そのうえであの残忍な悪童たちは、父親に告げ口することで、自分たちの上位に居座っている貴様を追い出す考えだったようだが…
あの男は貴様を責めるどころか、むしろ大いに賞賛した。

ヒューゴ
「この世の頂きに立ちたいのであれば、最も冷酷で、最も残酷で、最も手段を選ばない人間でなければならない」

ヒューゴ(内なる悪魔)
貴様は、確かにそれを成し遂げたのだからな。
そうだろう?
そのあと、貴様は巧妙に機会を伺い、貴様を陥れたリーダー格を殺す寸前までいったわけだが…

ヒューゴ
……

ヒューゴ(内なる悪魔)
あのときの貴様の顔といったら…
なんとしても自分で見ておくべきだったな――
あれほど痛快で、情熱と享楽に満ちたものもなかったぞ。

ヒューゴ
覚えていないな。

ヒューゴの答えに満足しなかったからか、内なる悪魔は彼の姿に変わった。

「ささやく者」

ヒューゴは家族の影に変貌した心の悪魔と対抗し、権力に溺れたハルトマンのような人間になることを拒み、レイヴンロックの血筋がもたらす呪いに立ち向かった…

ヒューゴ(内なる悪魔)
また始まった。
貴様は己の真なる欲望から逃げようとしている。
その心の中で、幾度も自問してきたはずだ。
なぜあの悪人どもは、最終的にふさわしい罰を受けなかったのだ、と。
これは公平ではない!
明らかに貴様は、やつらを自らの手で引き裂くことを望んでいた!
あの日、あの男を顔が歪むまで打ち据えて、その両の手を血生臭い穢れに染めたときのように。
あのとき感じたことを思い出せ!
貴様に募ったあらゆる怒り、そしてすべての憎しみが1秒ごとに解放されていく高揚を…!
あれこそが勝利だ。
貴様にふさわしく、正当な勝利!

ヒューゴ
彼らはもう死んだ。
我が兄弟姉妹たち…
死んでしまっては復讐のしようもあるまい。

ヒューゴ(内なる悪魔)
やつらはハルトマンの手にかかつて死んだ、俺たちの鎌ではない!
それもレイヴンロック家の後釜争いだ――
なんともつまらぬ結末ではないか。

ヒューゴ
そう思うかね?
俺の考えは逆だ。
継承の権利を欲するあまり、身内すら傷つけることをいとわなかった悪童たちが殺された…
奇しくも、自らと同じ選択をした叔父の手で。
これは…
巡る因果の果てに訪れた、れっきとした報いだ。
近しいもの同士で行われる権力の奪い合い。
血を分けたお互いを敵視し、疑い、反目し合い、裏切る…
さながら、レイヴンロックの血に刻まれた呪いだ。
笑える愚かさだとは思わんかね。

ヒューゴ(内なる悪魔)
親愛なるヒューゴよ、忘れるな。
貴様の体には、まさにその血が流れていることを。

ヒューゴ
……

ヒューゴの答えに満足しなかったからか、内なる悪魔はハルトマンの姿に変わった…

ハルトマン
そうとも、我が親愛なる甥よ。
どれほど拒もうと、貴様にもレイヴンロックの血が流れている。
弱肉強食、適者生存…
最強だけが生き残るに値し、最強だけが唯一の王となるに値するのだ!
これはレイヴンロック家が何度も証明してきた成功の道であり、お前の骨肉に刻まれた祝福と呪いでもある…
生きている限り、お前は永遠に一族の烙印から逃れることはできない!
いつかお前は俺のような、あるいはお前の父親のような人間になるだろう。
それがお前の運命なのだ…!

ヒューゴ
……

ヒューゴ(内なる悪魔)
恐れているな、ヒューゴ。
震えが来るほどだったか?
レイヴンロックの血を受け入れるだけのことが、なにゆえそれほど恐ろしいのだ?

ヒューゴ
俺は…
俺は父親のようにはならない。
絶対にだ。

ヒューゴ(内なる悪魔)
もちろんだ。
貴様はあいつらのような、愚かな負け犬にはならないとも。
安心しろ――
俺たちにはあいつらをしのぐ力と、より偉大な目的がある!
ゆえにヒューゴ…
己の欲望を否定するな。
野心に抗うな。
それは貴様が生まれながらにして持つ天賦であり、運命が授けた何よりの贈り物なのだから!
認めろ。
貴様の中に埋もれた火種を。
それは大火を起こし、何もかも灰燼に帰すときを今か今かと待ちわびている――
そう、俺こそが火種なのだ。

激しいめまいの後、ヒューゴは暗い倉庫の中で目を覚ました。
彼を縛っていたロープは、いつの間にか解けていた。
ヒューゴは湿り気を含んだ空気を大きく吸い込み、椅子から立ち上がった。
ヒューゴは服を整え、倉庫の扉を開いた。


ヒューゴ
…ライカン
貴様にこれほど感謝の念を抱いたことは、未だかつてない…
貴様がいるということは…
この無限と思えた悪夢も、じき終わるのだろう?

…ライカンと合流しよう…

ライカン
…なぜ、オレたちの誓いに背いた?
なぜオレを利用した?
オレの目、そして両足がこうなったのは、全てお前に起因することだ。
わかるか、今のお前は…
お前の父親そっくりだぞ。

ヒューゴ
……

「宿命と親友」
ヒューゴは幻の中でライカンと対話した。
彼は信念を固め、暴君に成り下がることを拒否し、繰り返される家族の呪縛を破り、自己の救済を以て憎しみの連鎖を断ち切ることを決めた。


ヒューゴ
…まったくもって、貴様の口から聞きたい言葉ではないな。
貴様は何もわかっていない。
あいつが…
俺の父親がどんな人間か。

ライカン
自分の利益と野心のためには手段を選ばない人間だ。
まさに今、お前がそうしているようにな。

ヒューゴ
俺が、何のためにこんなことをしていると思う?

ライカン
すべてお前が企てたことだろう。
レイヴンロック家の動向を知っていたお前は、モッキンバードとしてのターゲットをそこに定めた。
復讐のため、自分の父親を暗殺する計画を…。
だが、彼があまりに用心深かったためそれはいちど失敗する。
暗殺を免れたお前の父親は激怒し、すべての人間をホールに閉じこめた。
それでも暗殺者を見つけることはできなかったが――

ヒューゴ
付近でホロウ災害が起こっていたのをいいことに、見知らぬ顔はすべて排除することに決めたんだ。
あとでホロウ災害の犠牲者に偽装するつもりでな…
実際、レイヴンロック家には造作もないことだったろう。
ゆえに、貴様がしつこく言う「罪なき人を殺した」などというのはとんだ見当違いだ。
やったのは父親であって、俺ではない。

ライカン
お前は、彼が極端な選択をする人間だと知っていた。
そうすることも織り込み済みだったはずだろう。
実際、その混乱に乗じて再度暗殺をしかけたわけだからな…
そして、お前は自分の父親を殺すことに成功した…
無実の人々の命を代償に、だ。
認めろ、ヒューゴ。
お前は他者のことを何一つ気にかけていない。
その頭にあるのは自分の復讐だけだ――
父親と何が違う?

ヒューゴ
…そのへんにしておけ。
うんざりしてきた。
俺はあの裏切り者を心底嫌悪している…
だが、それでもあいつの言葉かどうかはわかる。

ライカン
…何だと?

ヒューゴ
「貴様のライカン」は、てんでなってないな。
我が心の深きに潜む、もう一人のヒューゴよ。

ヒューゴは深く息を吸い、ゆっくりと目を開けた――
目の前のライカンは瞬時にあの馴染みある男に変わった。
間違いなく、彼は今も幻覚の中にいる。

ヒューゴ
待っていたぞ、親愛なる俺。

ヒューゴ(内なる悪魔)
…どうやらここには慣れたようだな。
客人がいつしか主人となったか。

ヒューゴ
貴様が言ったことだ。
貴様は俺で、俺は貴様――
最初から主客など存在しない。
俺たちはどこまで行っても同一で、永遠に分かたれることなどない。

ヒューゴ(内なる悪魔)
それなら、俺が言わんとすることもわかるはずだな?

ヒューゴ(内なる悪魔)
ライカンと決別するとき、貴様はあの男の誤解に否定も弁解もしなかった。
実際、貴様はただ手を出すタイミングがなかっただけで、それが「誤解」などではないと気づいたのだろう?
人には、生きているだけでこの世界により多くの苦しみをもたらす者がいる。
ゆえに殺戮は救いのためであり、この世界に公平を取り戻すためなのだと。

ヒューゴ
…そのために、俺がこの両手を血に染めなきゃならない…

ヒューゴ(内なる悪魔)
いかにも!
貴様が死を偽装する前に言い放ったようにな。
あれは本当に、ただの芝居だったのか?
「時には最初から悪しき竜となって、鋭い爪と牙、すべてを破壊する力を手にしなければ、勝ち目がないこともある」。
貴様は誰よりもよくわかっている。
それが貴様の本心であることを。
もしあのとき、貴様が躊躇することなく先手を取り父親を殺せていたら…
その後の何もかもは起こらなかった。
罪なき人々は死なず、貴様の相棒も誰かを救おうと片目、両足を失うことはなかった。
モッキンバードだってああはならなかったろう。
貴様はより多くを救える。
貴様が殺すであろう悪人を、遥かに超える数の善人を救えるのだ!

ヒューゴ
確かに、俺はあのことを幾度も後悔した。

ヒューゴ(内なる悪魔)
ならば、なぜ己の欲するままに従わない!
すべてを裁くため頂に立ちたいのだろう?
なれるとも、貴様であれば!

ヒューゴ
…父親の死に、俺は一切関与していないからだ。
あの事件の真なる黒幕は、俺の叔父、ハルトマン。
彼は家督を継ぐ権利を簒奪すべく、当代の主を罠にかけて暗殺した。
モッキンバードは、運悪くその場に居合わせただけ…
だが、それで明らかになったのだよ。
レイヴンロック家のように複雑極まる巨大な存在は、誰かが殺された程度では何も変わらない。
当然、TOPSもそうだ。
メイフラワー家も、さらにはこの世のあらゆるものも、その実いずれもそうなのだ。
ゆえに俺はもう、無意味な憎しみには執着しないことにした。

ヒューゴ(内なる悪魔)
愚か者め、血迷ったか!
憎しみの力がいかに強大か、何もわかっていないとみえる。
俺たちを今日ここまで導いたのも、その憎しみではないか!
それとも貴様まで、あのジャックやライカンが口にするな論理に賛同すると?
いい加減にしろ、貴様は誰一人信じてなどいないくせに。
そうだろう?
彼らを信じていたのなら、死を偽装することを隠す必要はなかったはずだ。

ヒューゴ
……

ヒューゴ(内なる悪魔)
貴様の心には、いつしか何も通さない高い壁が築かれ、あらゆる人間を締め出していた。
もちろんそれは正しい。
この世界に、信ずるに値する他者
【?】本文

ヒューゴ
ありえないのだよ。
俺が、自分自身に負けるなどということはな!

(【?】dnnjyonn

ヒューゴ(内なる悪魔)
【?】いま
許すことを選べば、俺を…
己を裏切ることになるのだぞ!?

ヒューゴ
…貴様を野放しにする方が、よほど己への裏切りというものだ

ヒューゴ(内なる悪魔)
お前はまだ認めようとしていないだけだ
お前は本当の自分と…
真なる欲望に向き合うことを恐れている
愚か者め…
俺を殺す気か?
切り捨てるのか!?
俺がいなければ、何もできないくせに…!

ヒューゴ
これまでのことに…
感謝する。
なに、俺は貴様で…
貴様は俺だ。
誰も分かつことなどできやしない

ヒューゴ(内なる悪魔)
この期に及んでまだ綺麗事を並べ立てるつもりか…

ヒューゴ
綺麗事なものか
ただ理解しただけだ。
苦痛には直視し、受け入れる事でしか取り除けないものがあると
…俺はもう貴様を拒まない。
自分を憎むこともしない
弱さ、憎しみ、邪念、強さ、慈しみ、正義…
そのすべてが、俺を俺たらしめているものだと言えよう
だから俺は貴様を切り捨てることも、憎むこともない
俺は貴様を受け入れる。
最も暗き悪意と数多の苦痛に耐えた…
もう一人の俺を

ついにライカンとの約束の時間がやってきた――

幾度も沈黙を貫いたこの世

ライカン
ヒューゴ 時間だ
ヒューゴ おい…

ヒューゴ
ビビったか?
俺は耐えたぞ
そして勝った
賞賛が聞こえないな?
我が相棒よ

薬の効き目は既に切れた、そろそろ次の行動に移る時だ、ライカンと話し合おう。

…ライカンと話そう…

ヒューゴ
この光景…
いつぞやの夢とよく似ている
……
やはり後遺症は避けられないか…

【?】ムービーigi

ヒューゴ
相も変わらず、時間には正確だな。
「元」相棒。

【?】
親愛なる叔父上、それに讃頌会の狂人どもは、休息する暇など与えてくれまい。
何事もなければ、魚は既に網へとかかっているはずだ。
レイヴンロック家が犯した罪、その決定的な証拠が手に入るだろう。
そういうわけだ、「元」相棒。
ここまで助かったが、今いちど道を分かつとしよう。

ライカン
いいや、オレも行く。

ヒューゴ
…おいライカン。
病み上がりだからといって、俺があのクズ共に後れを取ると思ってるのか?

ライカン
ハルトマンのやろうとしていることは、新エリー都の治安にとって深刻な脅威だ。
オレが市長閣下に仕えている以上は、介入させてもらう。

ヒューゴ
ふん、今はそういうことにしといてやろう。
せいぜい俺の足を引っ張るなよ。

…ライカンと話そう…

ライカン
その前に、オレに話すべきことがあるんじゃないか?

ヒューゴ
何の話だ?

ライカン
…とぼけるな。
お前の計画のこと、オレはまだ全ては聞いていない。
まずはTOPSの上層部であるエドモンドを見つけて、交渉をしたと言っていたな――
どうやって彼を説得したんだ?

ヒューゴ
俺は落とし子だが、俺の体には確かにレイヴンロック家直系の血が流れている。
奇しくもそのエドモンド様は、直系は常に傍系より高貴であると信じて疑わない人間だ――
愚かにもほどがある。
だから、その傲慢さを利用することにした。
当然この他にも、こういう上澄みと渡り合える特殊な情報を持っている。
だが、これはモッキンバードの秘密に関することでね、明かすわけにはいかないんだ、「部外者」に。

ライカン
……
市長閣下のラボにあるサクリファイスのコアも、お前が盗んだのか?

ヒューゴ
そんなところだ。
あの場所は厳重に警備されていた、だからこそTOPSを利用し、よりお多くの情報を得る必要があった――
貴様も知っての通り、TOPSは貴様の市長殿のお隣に何人ものスパイを潜り込ませているからな。

ライカン
讃頌会の人間をおびき寄せるために、お前がサクリファイスのコアをオークションに出した…
彼らならこれが欲しがっていると知ってのことか。

ヒューゴ
いかにも。
サクリファイスのコアを例の「勇者の外套」にはめ込んだのは俺だ。
完璧に馴染んでいたんだろう?

ライカン
確かにお前のセンスだ。
あのオークションが終わった後、収益の中から偽ディニーが大量に見つかったとも聞いたが…

ヒューゴ
好きに想像するといい、だがディニーというものは、上澄みの口座に閉じ込められるよりも、流れている方が性に合っているだろう。

ライカン
…直後、お前はハルトマンを見つけ、協力関係を結ぶように彼を説得した、サクリファイスと讃頌会に関する情報を手に入れるために。
その後、お前は市長閣下に例の犯行予告を送りつけ、正当に行動を起こせる理由を市政側に与えた。

ヒューゴ
ああ、極めて正確な分析だとも、まるで天才だな、貴様は。

ライカン
最後に、お前は死を偽装することで、この渦中から身を引いた。
同時にこのショーを利用し、人々の関心の目をハルトマンとレイヴンロック家に向けさせ、これをもって讃頌会の行動を牽制した――
いや、違う。
これが全てなのだとしたら、なぜハルトマンが薬を盛ることを容認した?
お前ならあんな薬、きっとかわせたはずだ…

ヒューゴ
……
ライカン、俺は確かに、貴様に隠し事をしている。
実のところ、貴様の親愛なる市長殿とも、協力関係を結んでいる。

ライカン
…なに!?

ヒューゴ
讃頌会を止める計画において、俺と市長殿の目標は一致している、協力できて当然のことだろう。
貴様が考えるべきことは、なぜ彼がこのことを貴様に伝えなかったのかだ。

ライカン
……
市長閣下には、彼なりのお考えがあるはずだ。

ヒューゴ
自分を納得させられるなら、それでいい。
いつかモッキンバードに戻りたくなったら、俺に懇願してもよかろう。
その時は、丁重に断ってやるがな。

ライカン
……

ヒューゴ
さて、おしゃべりはここまでだ。
まだやらなければならない重要なことがあるからな。

>≪身を賭して策を打つ

「モッキンバードに名字は要らない」

ヒューゴはレイヴンロック家を土台から崩壊させることを計画し、自身がモッキンバードであると明かすことで、一族の血筋に背を向けた。
権威を失ったハルトマンが怒り狂うも、ヒューゴは「名字はいらない」と宣告し、宿命の鎖を断ち切った。

ヒューゴは証拠を集める過程について語った。
ハルトマンは話の途中で怒りを抑えきれず、机をバンと叩いた。


ハルトマン
汚らわしい落とし子風情め…
俺がくたばれば、貴様が後釜になれると?
バカな!
この程度は些細な汚点だ。
レイヴンロック家さえ揺らがなければ、俺はいつでも再起できる。

ヒューゴ
この期に及んで、まだ理解できていないとみえる。
俺は父の仇を討つつもりもなければ、くだらん椅子の取り合いにも興味はない
俺もまだ、貴公から命を取るほど落ちぶれてはいないのでね。
ちょうどいい時間だ。
こちらを見たまえ、叔父上。

エドモンド
…TOPS財政ユニオンを代表して表明する。
レイヴンロック家の行いについて、我々は一切を関知していない。
ユニオンは既にレイヴンロック家とのあらゆる協力関係を打ち切った。
今後も関わることはないだろう。

ハルトマン
き、気でも触れたか!
レイヴンロック家を潰して貴様になんの得がある!
このまま一生、コソ泥でいるつもりか!?

ヒューゴ
コソ泥?
フン…
叔父上、今一度自己紹介が要るようだな?――
人々は口を揃えて言う。
「富めるものから盗み、貧しきものに与える怪人」…
「何人をも騙しおおせる稀代のペテン師」
それこそがモッキンバードのリーダー…
新聞の一面を飾り、新エリー都を魅了してやまない大怪盗だ。
俺には、深淵に足を踏み外すことを許さぬ親友がいる。
涙を流してくれる相棒がいる。
手を差し伸べてくれる「伝説」がいる…
俺の名はヒューゴ・ヴラド。
貴公のように、「レイヴンロック」などという姓に拘泥はしない。

ハルトマン
雑種風情が…
生まれてくるべきではなかったな!

ヒューゴ
過分なお言葉だ、お互い様だがね。

…ライカンと話そう…

「コレクションのペンダント」
ヒューゴは死を偽装する計画を説明し、最初にビビアンからもらったペンダントに、サクリファイスのコアがずっと隠されていたことを明かした。
今の目標は、ランドンが残した薬を探し、ディナのサクリファイス計画を阻止すること。

ヒューゴのモーターボートに乗ってレイヴンロックの邸宅から離れた。
ポート・エルピスに着いた後、一同は港で迎えに来るライカンさんを待つことに…


ヒューゴ
ここまでよくやったな、ビビアン。

ビビアン
ヒューゴ、まずは説明してください。

ヒューゴ
なにゆえ腹を立てている?
表舞台へ舞い戻るにあたり、お前の温かい言葉は必要不可欠なのだが。

ビビアン
ヒューゴ。
わたしも、モッキンバードの一員なのです。
そして、あなたが死んでしまったら…
わたしは悲しいのです。

ヒューゴ
ビビアン…
お前とその大切な人間が、俺のせいで更なる危険に巻き込まれることを望んでいなかった。
俺はいつだって、とてもわがままな人間だ…
お前たちを自分の計画の一環とすることも厭わない。
だが万一の失敗で、大切な仲間を傷つけることになったら…
それを良しとしたくないのも、このわがままな自分なのだ。
わかってくれ。
それにビビアン、お前だって立場が同じならこうしたはずだ…
違うかね?

ビビアン
……

ヒューゴ
外のことはライカンがすでに片付けた。
俺たちはここを離れるとしよう。
それと…リンくん。
ありがとう。
そして芝居とはいえ、君に不意打ちで刃を向けるような真似をしたこと…
すまなかった。
ハルトマンの警戒を緩め、君たちに危害を加えさせないためにはああするほかなかったのだ。
不肖ヒューゴ・ヴラド、この恩を胸に刻んで、永遠に忘れないと誓おう。

ライカンさんの助けを借りてレイヴンロック家の邸宅を無事に去り、ビデオ屋に戻った。

ライカン
プロキシ様、すでに遅い時間ではございますが…
早急にいくつか重要な情報をお伝えしたく。

>つまり、ライカンさんは全てを知って…?

リン
それで?
ヒューゴの死んだふり計画を、ライカンさんは最初から知ってたわけ?

ライカン
コホン…
私としては、あの場でこの男の一計に付き合ってやる必要があったのです。
ヒューゴの計画が、プロキシ様にとって脅威であるかは取り入ってみなければわかりませんから。
市長閣下の亡きご友人、その生徒様とあれば私はあなた様の安全に対して責任を持たねば。

ヒューゴ
ハハハ…!
ばつが悪くなると、下手くそな言い訳に終始するのは相変わらずだな。

ライカン
ヒューゴ様。
とっとと本題に入られては?
私は12時までに帰って休まねばならないのです。

>仲がいいんだね…

リン
あ、あはは…
ふたりってなんだかんだ仲いいよね…

ヒューゴ
時代遅れの体内時計が悲鳴を上げているそうだ。
手短に話すとしよう。
カミエルの話によると、ディナは例のコアを連中が作っているサクリファイスに埋め込み、能力を大幅に強化するねらいがあるそうだ。
だが、このようにして誕生したサクリファイスは意識を持たず、あらゆる生物を無差別に攻撃する。
むろん、それを創造したものも含めてな。
ゆえにこれまで、讃頌会の奴らは決してそんなことをしなかった。
何のメリットもないからな。
だが、ディナの薬があることで話は変わってくるのだ。
精神を支配できる薬がその工程に挟まれば、大幅に強化されたサクリファイスを統制下に置くことも、絵空事とは言えなくなる。
サクリファイスの休眠体そのものはすべて破壊されたが、それを生み出す薬についてはまだストックがあるようだ。
ディナは再びサクリファイスの生産に着手するだろうな。

>本物のコアがどこにあるのか分からない

リン
サクリファイスの話はひとまず置いといて…
ハルトマンが持ってるコアは偽物だったよ。
そもそも本物を探すとこから始めないと。

ヒューゴ
本物のコアだと?
それなら、ずっとここにあるではないか。

ビビアン
ここに?
「パエトーン」様のビデオ屋に、ですか?

ヒューゴ
覚えているかビビアン。
貴様がオークションであのコレクションを競り落としたとき、たしか俺はこう言ったな?
プロキシくんに贈呈してはどうかね、と…

ビビアン
覚えてはいますが、あれは何の変哲もないペンダントなのです。
出品者といえる方にもお会いしましたが、彼女は讃頌会となんの関係もありません。

ヒューゴ
それでは、我らがプロキシくんにあのペンダントを見せてもらおうじゃないか。

ビビアンからもらったペンダントをヒューゴに渡した。
彼が手の中でそっと隠された留め具を動かすと、ペンダントはカチッと音を立てて、中央から開いた。
驚くべきことに、そこにはあのサクリファイスのコアが――

精巧なコレクション
【?】
ビビアンが贈ってくれたコレクション。
精巧で高価に見えるが、まさか開けられるだけでなく、その中身が例のサクリファイスのコアだったとは…
ビビアン

>!

リン

ヒューゴ
その驚愕の表情は、俺の「ささやかな手品」に対する賞賛としておこう。

ライカン
コホン。

ヒューゴ
このコアは市長殿に差し上げる
「俺が死んでいる」あいだ、彼はビビアンと店長くんを守ってくれた…
約束の通りにな

であれば、俺も違えないのが筋というものだ。

ビビアン
なるほどです。
市長がモッキンバードを利する世論に加担していたのは、そういうわけでしたか。
一瞬でも、彼の善性を信じてしまった自分が恥ずかしいのです。

>サクリファイスのコアは心配しなくていい

リン
サクリファイスのコアがここにあるなら、次はディナだね?
無関係な人たちがサクリファイスに変わっちゃうのを止めなきゃ!

ヒューゴ
ああ。
それに加えて、ランドンが遺した最後の薬も破棄せねば。

ビビアン
これで何もできなくなったディナが、自身の執着に見切りをつけてくれるとよいのですが。

ヒューゴ
比較的重要なことはこれですべてだな。
俺はいまいちど、ランドンが遺した薬の在り処を探る。
情報があればまた連絡しよう。
アディオス。

ライカンさんとヒューゴはまだ話したいことがあるみたい、彼らの話を聞いてみよう。

⋯ヒューゴと話そう…

ヒューゴ
どうしたライカン、急いで帰って休むつもりだったんだろう?
知らない人からすれば、0時を過ぎるとオオカミに変身する、とでも思われるんじゃないかね?

ライカン
…体の回復具合はどうだ?

ヒューゴ
安心しろ、死にはしないさ。

ライカン
前よりは随分とか弱く見えるんだが。

ヒューゴ
…なに、ただの病み上がりだ、そう見えて至極当然だろう。

ライカン
火中に飛び込むのは賢明な判断とは言えない。
お前は前に――

ヒューゴ
ライカン、俺が死を偽装した前に話したことを覚えているか?
「勝利を末永く確固たるものにするためには、古い血肉を切り取る痛みに耐え、夜明け前の最も深い闇と向き合う必要がある」
間違ったことはではないが、これは十分に傲慢な言い回しだ。
「これを犠牲してあれを救う」とかいう考えより、俺は、自分が実際にできることをする道を選ぶことにする。
人間は自分の運命を、そして、自分の運命だけを、決められるものだ。

ライカン
…お前、だいぶ成長したんだな。

ヒューゴ
そいつはどうも。

ビビアン
ヒューゴ、これまでわたしに隠してた事、全て話してもらいますから。

ヒューゴ
ああ、もちろん説明するとも。

みんなと少し話した後、ライカンさん、ビビアンとヒューゴは別れを告げて去っていった。
寝室に戻って、ぐっすりと眠りについた…


(【?】アキラ)


-------------------------


【?】


-------------------------

お兄ちゃんは何か話したいことがあるみたい、何があったか聞いてみよう。

…お兄ちゃんと話そう…


(【?】アキラ)


アキラ
リン、少し前にヒューゴからメッセージが来たんだ、サクリファイスの件で進展があったそうだ。
まだ使われていないサクリファイス化の注射が大量に見つかったらしい。
それで、僕たちの案内で、彼とビビアン、ライカンさん、そして僕たちみんなでホロウに入って、あの薬を破壊したいそうだ。
それと、今回は僕もH.D.Dシステムで、一緒に入ることになっている。
準備ができたら教えてくれ、イアスを連れていくことも忘れずにな。

①準備はばっちり!
②ちょっと待って

薬剤が保管されている場所を特定できた、今すぐホロウに入って薬剤を壊し、デイナの計画を止めよう!

…ディナの計画を止めよう…

ヒューゴ
来てくれたか、店長くん。

ビビアン
二人の「パエトーン」様が一緒に案内してくださるなんて…
ビビアン、幸せ過ぎるのです…

ヒューゴ
今回は世話になるね、店長くんたち。
俺が手に入れた情報によると、薬の数が多かったものでね。
俺の推測では、ディナは全ての薬剤を一箇所に置くはずがない、よって、ここでは手分けする必要があるだろう。
念のため、店長のお二人には一緒に行動してもらいたい。
お二人、準備ができ次第、ホロウに入るとしよう。

①今すぐホロウに入ろ
②ちょっと待って

>≪讃頌会とホロウ

「先生のプレゼント」

サクリファイスの危機が解除され、私たちも自分には侵蝕を後退させる特殊能力を持っていることを知った。
仲間と家族は相変わらず傍にいる、今日もまた、新エリー都の平凡な一日だった。

まるで長い夢を見ていたかのようだった。
夢の中で、再び先生に会えた気がする。
先生の笑顔はあのときのままだったが。
ほどなくして夢の景色も先生の姿も、水の中へと徐々に溶けていった。
すべてが水の靄に包まれ、次第にぼやけていき、やがて完全に消えてしまった…。


「リンリン…!」

アキラ
リン…
目が覚めて本当によかった。

>あ…

リン
何が起こったの…?
確か私、ビビアンといて…
そうだ、ビビアンはどこ!?
あの子、自分にランドンの薬を打っちゃったの!

アキラ
ヒューゴとライカンさんが、君たちをホロウから連れ出してくれたんだ。
君は重度の昏睡状態で、今回は本当に肝を冷やした。
目を覚ましてくれなかったら僕は…
とはいえ、本当にビビアンは自分に対して薬を?
外傷があることは確認していたけれど、ヒューゴからも検査結果は問題なしという連絡があった。
リン、思い出せるかい?
あのとき、君たちに何があったのか…

>あの時、状況は差し迫ってて…

リン
あのときはすごい切羽詰まってて…
ビビアンがエーテリアスを倒せたのは、薬を打ったおかげ。
あの子の体には、確かに結晶ができつつあった…
それから…
えーと、それから何が起きたかは、うまく説明できないっていうか…
何かを見たような気がするだけ。
私ただ、ビビアンの体の結晶をなんとかしなきゃって必死で…
ぶっちゃけ、何してたかも思い出せないんだよね。
その後、気を失っちゃって…
あれから何があったの?

アキラ
僕がヒューゴとライカンさんをその場に案内したとき、二人は倒れていたんだ。
呼んでも揺すっても反応はなかった…
とはいえ、この話は一旦置いておこう。
リン、まだ具合の悪いところはあるかい?

>まだ少し頭がくらくらするだけ…

リン
まだ、ちょっと頭がぼんやりするかなってくらい…

アキラ
そうか、もう一晩ゆっくり休むといい。
明日ヒューゴとビビアンがお店に来るそうだ。
何かあれば、そのとき話そう。

>うん…

リン
うん…
わかった。
じゃあお休み、お兄ちゃん。

もう夢の中で奇妙な声は聞こえず、何事もなく朝まで眠れた。
しばらくして、ビビアン、ヒューゴ、ライカンさんがビデオ屋にやってきた。


ビビアン
「パエトーン」様!
お体のほうはいかがですか!?
頭痛はありますか?
まっすぐ立てていますか?
心臓はきちんと鼓動していますでしょうか?
ええと、あと食欲は…

ヒューゴ
あー、ビビアン?

ビビアン
す、すみません…なのです。
もう心配で心配で…
「パエトーン」様。
いまひとたびお姿を拝見できて、ビビアンは本当にうれしいです。
うう…
わたしがあんなことをしたばっかりに…

>ビビアンのせいじゃない

リン
ビビアンだって、エーテリアスになっちゃったディナをなんとかするために必死だったわけだし…
あんたが頑張ってくれてなかったら、私たちホロウで死んじゃってたかもしれないんだよ。

アキラ
それで、あの時何が起こっていたんだ?
リンは君の体に、結晶が発生するのを見たと言っていた。
僕はイアスを通じて見ていたけれど、それらしいものはなかったんだ。
ヒューゴとライカンさんは、現場で何か異常に気付いたかい?

ライカン
その件につきましては、私のほうから説明を。
ビビアン様が目を覚まされた後、彼女の口から同様に結晶の発生についてお伺いし、市長閣下が検査を手配してくださいました。
検査の結果、ビビアン様には確かに、軽度の侵蝕による後遺症が見られたのですが…
ビビアン様がおっしゃった通りに、すでに結晶が発生していたとあれば、この程度の後遺症で済むはずがございません。
より正確に申し上げれば、体表に顕著な結晶化が見られた時点で、そう時を置かずしてエーテリアスとなってしまうはずです。
そのため市長閣下はこうお考えになりました。
プロキシ様の体内にあるエーテルエネルギーが、ビビアン様や周囲のエーテル粒子に影響し…
侵蝕症状の後退を促したのではないか、と。
本質的に侵蝕とは、体の内外に存在するエーテル粒子がなんらかの相互作用を引き起こした結果でございますから…
理屈では押し返すことも不可能ではありません。
とはいえ現時点で可能なのは、せいぜい遅らせることのみ、とされていますが。

>私のエーテルエネルギー?

リン
ええ…
私、そんな力があったの…?
人のエーテル粒子に影響…
って、私がエーテルを操ってるみたいじゃん!

ライカン
これこそ、あなた様が特別とされるゆえん…
あなた様の「先生」が残された、贈り物なのでございます。

>先生と関係がある?

リン
先生…!
先生が、私に…?

ライカン
私めも全貌は存じ上げませんゆえ、詳しい説明はできかねます。
ご容赦ください。
ですが…
かの儀玄女史であれば、あなた様の疑問に多少なりとも答えてくださるやもしれません。
数日以内にあなた様を訪問されるとのことでしたので、疑問は彼女に尋ねるのがよろしいでしょう。
…もっとも、いささか…
エキセントリックな方でございますから。
却ってご迷惑をおかけする可能性も…

>そうなったら苦情を入れようかな

リン
もしそうなったら~⋯
クレームはライカンさん宛てでいいのかな?

ライカン
こほん…
プロキシ様は人付き合いを心得たお方でございますから、そのようなことにはならないと信じております。

>もっと心配になってきたな…

リン
ライカンさん、私もっと心配になってきちゃった…

ライカン
何はともあれ…
今回の件につきまして、市長閣下から皆様に心よりの感謝を伝えるよう仰せつかっております。
さまざまな理由から、表に出ることは叶いませんが…
皆様に対し、市長閣下の権能の及ぶ限り、無条件でご支援を提供してくださるとのことでした。
こちらに期限はございません。

ヒューゴ
ん?
無条件?
そいつは、俺が市長になりたいと言っても有効なのかね?

ライカン
本当にその意思があるのならば、次の選挙では、彼自身と彼を取り巻く者の票をあなたに全て投じてもよいとのことでした。
あなたに全て投じてもよいとのことでした。
その他の票については、そちらでどうにかして頂く必要がありますが。
また就任後は、各種日常の雑務についても責任を以て模範的に処理されたし、とのことです。
こちらに本日締めの公文書――
「都市における廃棄物の分別処理原案」の写しを預かっています。
まずはこちらに目を通されるのがよいかと。

ヒューゴ
ちっ、食えない古狸だ。

ビビアン
で、ではわたしも、「パエトーン」様と…

ライカン
そちらの件につきましても、市長閣下は言及されました。
必要な書類はすべてご用意がしてございます。
また式に関する諸費用は、市長閣下より祝辞として負担する旨を言付かっておりますゆえ…
プロキシ様の同意があり次第、すぐに署名し手続きを行うことが可能です。
ただし原則として、本件は双方の自発的な同意が必要であり、それは脅迫、監禁、ならびに一方の当事者が意識混濁した状態等で行われてはなりません。

ビビアン
そそそ、それ以上はどうか言わないでください!
わたしが「パエトーン」様に、そのようなこと…
するはずないではありませんか!!
コホン…
まあ、ないに越したことはない…
という意味ですけれど…
少なくとも今日はないのです。

ライカン
そしてプロキシ様。
お二人が望んでおられることに関しても、市長閣下は目星をつけておいでです。
ですが市長閣下の提供する「支援」を所望されるタイミングについては、お二人が儀玄女史と面会されたあとでもよいとのことでございました。

ヒューゴとライカンさんは相変わらず口喧嘩を続けていて、ビビアンは期待に満ちた表情で横に座っている、隣のラーメン屋から香りが時々漂ってきて、CDショップのエイファお姉ちゃんが好きな曲も聞こえてくる…
よかった…
時が止まらず進む中、誰かが傍にいてくれていることに変わりはなかった。
みんなでご飯を食べた後、ヒューゴ、ライカンさんとビビアンは別れを告げて去っていった。


分からないことがまだたくさんある、もう一度お兄ちゃんに詳しく聞いてみよう!


…お兄ちゃんと話そう…

アキラ
リン、まだどこか具合が悪かったりするかい?
ライカンさんが言うには、君はエーテル粒子を操れる、しかもその能力は先生からの贈り物だとか。
どういうことだろうね…
その儀玄さんの背景も、調べる価値が十分にありそうだ。
けれど、やっぱり今は考えないことにしよう。
リンは回復したばかりだし、今はしっかり休まないと。
後のことはいつも通り、僕が一緒に何とかするよ。

>(上の階で休憩する)

この件も無事に幕を閉じたと言えるかも、この後はゆっくり寝ることにしよう!

…休憩しよう…

リン
よく考えてみたら、最近はほんっと、色々あったんだね…
でも、私ほんとにエーテルエネルギーを制御できるの?
もし、この力は先生からの贈り物だとしたら、先生の研究で本当にホロウの人間へのダメージを変えられるって、証明されたことになるんじゃないかな…
もしかしたらこれって、先生は罪人じゃないって証拠になるかも。
でも、今は何も感じないんだよね…
何かの力が使えるって気が全然しない…

様々な考えが頭に浮かび、どんどん意識が遠のいていった。
気がつくといつの間にか、夢の世界に落ちていた…
新エリー都は依然としてサクリファイスと共にあり、安穏とした日常に隠れた危機は決して止まることはない。
新しい物語や未知の遠方へ進んで行くことはもちろん素晴らしいが、現在と過去、そのすべてにある夜を大切にすべきである。
それらは未来を待ち望むなかで、かけがえのない思い出となるだろう。

■アチーブメント獲得
明日へ飛び立つ歌
パエトーンの軌跡「涙と過去を埋めて(下)」をクリアする。

>≪ゆったりとしたひと時・悠々自適な閑客

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