涙と過去を埋めて(下)/讃頌会とホロウ

ホロウに向かい、ランドンが残した薬を破壊し、ディナのサクリファイスを作る計画を阻止しよう。

依頼人:ビビアン
場所:【?】
目標:ランドンが残した薬を処分する

ヒューゴ
ランドンが残した薬はこの付近にある
さらに、以前失踪した労働者の一部もここにいるようだ
実験の準備は万端というわけだな

ライカン
ご心配には及びません、私共が掃討致します

ディナの手下
やつらは薬を破壊するつもりだ!
止めるぞ!

ヒューゴ
先に守衛を片付けるとしよう
一部の薬はこの倉庫に保管されている

イアス(アキラ)
破壊が必要な薬剤の箱:○

ディナの手下
ここからは何も奪わせん!

ライカン
ヒューゴ、まずは守衛を倒すぞ

ディナの手下
よほど死にたいとみえる!

ビビアン
フン、身の程を知らないにもほどがあります

「薬の破壊」
一同が話し合った後、手分けしてランドンが残した薬を破壊し、ディナの計画を止めることにした。
その時、ビビアンは1本のサクリファイス化の注射を密かに隠した…

ヒューゴ
ランドンめ、思ったよりも大量に薬を遺していたのだな。
幸いなことに、これらはまだ手つかずだ。
ディナが最後の計画を実行していないという証左だろう。

ライカン
付近にもまだたくさんあるはずでございます。
行方不明の人々についても、今のところ手がかりはない…
讃頌会が、こちらの動向に気付いていないはずがありません。
あちらはあちらで、何かしらの対応を準備している最中かと。

ヒューゴ
精神を支配する薬、サクリファイスを生み出すランドンの薬…
二つを掛け合わせて、本当にディナの命令に従うサクリファイスができたら、それはそれは厄介なことになるぞ。

>手分けした方がいいかも?

リン
手分けした方がいいかもよ?
ヒューゴとライカンさんはこの辺の薬を壊して回って。
私、ビビアンと他の場所を探してみるよ。

ヒューゴ
よかろう。
ただし、万一ディナに遭遇することがあれば、くれぐれも用心したまえ。
カミエルの言う通り、彼女は父親の遺志にいささか執着しすぎている。
何をしてくるかわかったものではないからな…
では、一旦ここで別れるとしよう。
もう一人の店長くん、イアスとともに俺とライカンを案内してくれるかな?

アキラ
ああ、この数日で調子はだいぶ良くなった。
ヒューゴとライカンさんは僕に任せてくれ。

ヒューゴ
今になって幸運を実感したのだが…
俺たちには、「パエトーン」殿が二人もついているのだな。

アキラ
けれど、仕事が倍になったような気もするな…
以前はリンと二人で一つでよかったのに…

ヒューゴ
能ある者は労も多し…だ。
なに、市長殿はきっと倍の報酬をくださるだろう。
彼ほどの者が、出し惜しみなどとけちな真似をするはずがあるまい。
なあライカン。

ライカン
……
市長閣下には、上申しておきましょう。

アキラ
報酬は問題の一つに過ぎない。
リン自らホロウに入るばかりか、別々に道案内だなんて…
兄としてはますます心配だ。
とはいえ、みんなの能力には全幅の信頼を置いている。
本当に、ただ少し慣れていないだけなんだ。

みなが話している間、ビビアンは面々の後ろに立ち、ある背中を見つめていると、ふと涙を流した
彼女は素早く振り返り、一人でランドンが薬を残した方へと近づいていった――

「予見されし落日」
ビビアンは自分が予見した「パエトーン」の悲劇を思い出した。
今回、彼女はその結末を変えると心に決めた。

ビビアンは「パエトーン」を見た時に流した涙、そして、あの時に視えた運命を思い出した――

ビビアン
それが…
わたしに見えた未来。
「パエトーン」様――

ビビアンは目を閉じ、何か決心したようだった。
そして、
ランドンが作った薬を手に取り――
悲劇が避けられないのなら、墜落が定めのこの運命、どうかわたしに背負わせてください――

ビビアン
ごめんなさい…
ですが、今度こそ結末を変えてみせます。
あなたには、不幸になってほしくない。
これが、わたしの一番の願い…!

ビビアン
「パエトーン」様、わたしにお任せください
「パエトーン」様、ここにも薬が残っているかもしれません

ディナの手下
ディナ様の物に手を出すとはな…

ビビアン
なるべく手加減してあげるのです
裂け目の横にいくつかコンテナが…!
中に何か入っているかもしれません。
開けられないか試してみましょう

失踪した怯える作業員
もう金はいらないから、解放してくれ!

失踪した弱々しい作業員
もうここまでみたいです…
楽にさせてください…

ビビアン
わたしたちは助けに来たのです、他の遭難者はいますか?

失踪した弱々しい作業員
いたんですが…
彼らはもう…

失踪した怯える作業員
エーテリアスになったんです!
たくさんのエーテリアスに…
みんな死んだんです…
お願いです、逃がしてください、あの女の子…
絶対俺たち生かして帰す気ないですよ…

ビビアン
あなたたちはわたしの仲間が外に連れ出します。
この件はわたしたちが片付けるのです。
もう怖がらないでください、あなたたちは生きたままホロウから出られます、このわたしが保証するのです。

失踪した怯える作業員
本当ですか?
よかった、よかった…

失踪した弱々しい作業員
気を付けてくださいね…
ここに来たみんなはエーテリアスに…
すっごく怖いエーテリアスになったんです…
あんなにも大量なエーテリアスの群れを、彼女は一体何に使うのか、想像もできません…
きっと死人が出ます…
誰だろうと、あのエーテリアスたちにやられてしまいます…
コホッコホッ…

ビビアン
今は話さないでください、仲間が外に連れていきます。
あとのことは、わたしたちに任せるのです。

「打ち砕かれた希望」
ディナはランドンの虚構の希望を執拗に続けようとするも、ビビアンは犠牲の本質を明かした。
そこでカミエルが裏切り、ディナに目を覚まさせようとした…

ヒューゴとライカンさんに連絡すると、彼らはすぐに駆けつけた。
彼らには
要救助者を安全な場所に連れて行ってもらい、私たちとビビアンは引き続き残りの薬や被害者を探し続けることに。
しかし、彼らが去ったあと間もなく、覚えのある声が聞こえてきた――

ディナ
ここを見つけるのは、本当に大変だったでしょ?
ビビアン…
もし何も見なかったことにしてくれるなら、急いであなたを始末する必要もないわ。

ビビアン
あの人たちは安全な場所へ移送しました。
もうあなたに打つ手はないのです。

ディナ
ただの実験体だもの。
逃げたなら逃げたでいいわ。
この世界に欲深い人間がいる限り、私の実験台になりたがる者は必ず現れる…
お父様の偉大なビジョンを実現できるのなら、ちっとも取るに足らない犠牲だわ。
ちっとも取るに足らない犠牲だわ。

ビビアン
進んで実験台になった者がいるような口ぶりですね、ディナ。
あなたは人々を騙していただけです…
かつてランドンがみんなを騙していたときも、そうしたように。

ディナ
騙す?
お父様は、ホロウに大切なものを奪われた人々のために希望を示したのよ。
ビビアンだって、お父様があなたへ示した希望に胸を躍らせたでしょう?
お父様の憐憫を受けるまで、あなたはただ、みんなに疎まれる不幸の前触れにすぎなかった…
あなたに存在する意味と、存在してもいい場所を与えたのは他ならぬお父様なのよ?
お父様の導きのもと、あなたが初めて「祝福」を授けた日を覚えてる?
彼らから感謝の眼差しをもらって、あなたはどんな気持ちだった?

ビビアン
……

ディナ
あなたが初めて希望を…
自分の存在意義を感じられた瞬間だったでしょう?
忘れないで。
あれこそお父様が、あなたが言うところの「騙す」ことであなたに示してくれた希望なのよ。
それであなたは?
あなたは一体何をしたの?
あなたはお父様の関心を、みんなの敬愛を独り占めにしていながら、最後にはすべてをめちゃくちゃにしてしまった!
あの人たちが讃頌会を離れて、もっと幸せに暮らせるとでも思っていたの?
そんなわけないでしょう!
ホロウに苦しめられ、お父様が示してくれたなけなしの希望さえ失って…
彼らはただの歩く屍になるだけだわ。
思いあがらないでビビアン。
あなたは、みんなを救えたと思い込んでいるかもしれないけれど…
結局、ただあなたは希望を引き裂いて、災いをもたらすだけの存在にすぎなかったことを証明しただけ。

ビビアン
ディナ、すべての人が見せかけの希望にすがっていたいわけではありません。
あなたは言いました。
あの人たちは欲深いからこそ、あなたの犠牲者となることを甘んじて受け入れるのだと。
確かに、彼らは決して絶対的な善人ではありません…
ですがその「欲深さ」とは、ただ、ホロウの外でより良く生きたいという願いではないですか。
あなたとランドンは希望を示したのではなく、彼らの希望を利用したにすぎません。
何度自分を欺いたら気が済むのです?
ランドンがしたことのむごさを、あなたはこの上なくわかっているはずなのに…

ディナ
違う…

ビビアン
ランドンがあなたに「祝福」を授けると言ったとき、あなたの顔には紛れもない恐怖が浮かんでいたではありませんか。
わたしにはハッキリと見えました。
本当にあなたの言う通り、すべてが正しい行いであったのなら…
なぜあんな顔をしたのです、ディナ。

ディナ
やめて!
その憐れむような目を今すぐやめて!
すべては、ホロウを災いではないものに変えるため。
お父様は何も間違っていない…
それが、みんなの希望だから…!

ビビアン
ディナ、今すぐ引き返しましょう。
自分に嘘をつくのはやめてください。
制御できなくなったサクリファイスがホロウを離れてしまったら、どんなことが起きるか…
あなたは知っているはずです。
ホロウが人々の命を奪わなくなったとして…
あなたの言うその「希望」がさらに多くの命や思いを奪うことになるのですよ。

ディナ
そんなもの、偉大なことを成し遂げるためなら、払わなければならない代償だもの!

ビビアン
代償になっていい人など、誰一人としていないのです。

ディナ
はあ…
あなたのそういうところ、本当に嫌い。
実験体なんてまた捕まえればいい。
お父様が研究していた薬も、時間さえかければ私が再現してみせる。
だから、あなたたちが消えるだけでいいの。
お父様が始まりの主に捧げたものを、私が完成させる…
お父様の理想を実現してみせる!
カミエル、失敗作を出しなさい。

カミエル
ディナ様…

ディナ
カミエル。
また繰り返すつもりなのね?
始まりの主に付き従うというあなたの言葉、反故にするつもり?

カミエル
ディナ様。
ホロウは、私の最も大切な家族を奪いました。
失ったものは二度と戻らないと痛感しているとき、ランドン様は始まりの主が導いてくださると私に諭したのです。
いつか必ず、ホロウはもはや災害ではなくなり、あまねく人々がホロウの中で生きていけるようになると。
そんな日がくることを願ってやみません。
それが私の希望です。
そして、私はあなたの成長を見守ってまいりましたから、よく存じております。
ランドン様は幼い頃からずっと敬愛してきた父親であり、あなたの希望だったこと…
そして私が、自らの手であなたの希望を打ち砕いてしまったこと。
失うことの痛みを知っているからこそ、あなたに抱いていた罪の意識は計り知れないものでした。
希望を壊してしまった償いをしたい…
その気持ちは変わりません。
ですがディナ…
これ以上誰かが傷つくことを、何よりあなたが自分自身を傷つけることを黙って見ていることもできないのです。
ビビアンの言うとおりです。
誰もが虚構の希望にすがってまで生きたいわけではありません。
ですから…
もうやめましょう、ね?

ディナ
カミエル、あなたも私を見捨てるの?
そういうことなのね?

カミエル
見捨てるだなんて…!
ただ、あなたがこれ以上破滅の道を進むのは見るに堪えないだけなのです!

ディナ
破滅の道?
ああ、カミエル…
私にはもうとっくに引き返す術なんてないのよ。

カミエル
いいえ…ディナ。
あります。
私が、あなたの引き返す術となります。

「さようなら、希望よ」
カミエルは全ての責任を背負うことで市長と手を組み、ディナに人生をやり直すチャンスを与えた。

ディナ
カミエル、どこへ行くの!

カミエル
私はヒューゴを介して、市長の合意を取り付けました。
いずれ説明を必要とすべきときが来たら、すべては私がやったということになります。
私は長期間にわたってランドンの一人娘、ディナを脅迫し、サクリファイスの研究と製造を手伝わせていた。
そして、サクリファイスを利用して自らの利益のため、レイヴンロック家と密かに結託していた…
つまりディナがしたことはすべて、彼女自身の意思によるものではない。
また、彼女は長期間にわたって私に監禁され、社会で自立して生きる能力がない。
よって、彼女の世話をする後見人の手配を求め…

ディナ
何言ってるの、カミエル!
絶対に、あなたの思う通りになんてなるもんですか!

カミエル
ディナ、私は失敗作を処理してきます。

ディナ
許さないわカミエル!
死ぬわよ!
そんなの許さない…
命令よ。
私のそばを離れないで。
ずっと、私の言う通りにしてきたじゃない…
いまさら従わないなんて許さない!

カミエル
ディナ、私はずっとあなたの命令に従っていたわけではありません…
その美しく赤い髪を見ると、ホロウで死んだ妹を思い出します。
始まりの主が希望をくださる…
そうランドンが私を諭したとき、その後ろにあなたがいました。
その瞬間、私は確信したのです。
これこそ、始まりの主が私に与えた、希望なのだと。
やり直しましょう、ディナ…
あなたの人生はまだ長い。
たくさん友達を作り、たくさんの人に愛され、たくさんの素晴らしい思い出を作れるはずです。

ディナ
いらない…
そんなのいらない…!
カミエル、あなたを死なせるもんですか。
私が許さない。
絶対に許さないから!

「さよなら、ディナ」
「そして…ごめんなさい。
ビビアン、あとはお願いします」

カミエルは決然と裂け目に向かって歩き出す。
ディナはカミエルの消えていく背中を見つめ、やがて自らもそちらに向かって歩き出した。
ビビアンは止めようとしたものの、とっさにディナがコンテナの扉を開けたことで、次々と湧いて出るエーテリアスに阻まれてしまった。

ビビアン
まずはこのエーテリアスを倒しましょう!
カミエルがしたことを、無駄にするわけにはいかないのです
「パエトーン」様、ディナを追いかけましょう
裂け目の先にいるはずです

>裂け目

【?】がぞう

「憎しみだけが残る」
ディナはランドンに操られた歪んだ幼少期と、嫉妬と存在意義を失ったことでビビアンを憎むようになったことを明かした。
やがて、もう取り返しがつかないと自覚したディナは、和解を拒んだ…

ディナ
ビビアン、これで満足…?

ビビアン
この一歩を踏み出したのは、あなたです。

ディナ
ふん、ぜんぶ自業自得だって言いたいの?
お父様を失い、カミエルまで失って…
あなたなんか、現れなければよかったのに。
最初にお父様があなたを連れてきたとき、実はとても嬉しかったわ。
讃頌会にはたくさんの人が行き交っていたけれど…
私が彼らと深く関わることを、お父様は許してくださらなかった。
だから、お父様があなたを指して面倒を見るよう言ってくださったとき…
あなたは私にとって、最初のお友達になったの。
あなたが初めて、私の代わりに「祝福」を授かる人を選んだ時も…
私は嬉しかったわ。
あなたが他の人とは違うってことだったし、このままずっと私のそばにいてくれると思った。
でも、次第にあなたへの嫉妬が芽生え始めた…
私のものだったはずの注目、そしてお父様の愛をあなたが奪っていったように思えたから。

ビビアン
ランドンはただ、わたしの能力を…

ディナ
わかってる。
でもね…
ビビアン、そういう感情って、抑えようと思って抑えられるものじゃないの。
…もちろん、恐怖や憎しみだってそう。
やがて、いつあなたが私を見つめて涙するのか…
毎晩怯えながら眠る日々が始まった。
私、分かってたから。
もしそんな日が来たら、お父様は何のためらいもなく、私に「祝福」を授けるだろうって。
やがてそれは現実となり、私はお父様の死を招いたあなたに対して、恐怖ではなく、憎しみを向けるようになった…

ビビアン
すべてを知っていたのなら…
ディナ、あなたはどうしてあの男を庇うのですか?
それに、もっと早くその恐怖を打ち明けてくれていたら、何かしら方法を考えることもできたのに…

ディナ
だってそれが、私にとって唯一あなたより特別でいられる部分だったから。
そうでしょう?
あなたよりお父様に信頼されていて、あなたより役に立つっていう…
証明だもの。
ビビアン…
あなた言ってたわね。
小さい頃からあちこちを転々として、誰にも受け入れてもらえなかったって。
讃頌会に来て、皆に認められて、お父様の手伝いをするようになって…
さぞ満ち足りた気持ちだったでしょう。
そして最後には利用されていたことに気付いて、裏切られたことに深く傷ついた…
そうよね?
じゃあ、私は?
私には小さい頃から、お父様しかいなかった…
私は外の世界なんてこれっぽっちも知らない。
小さい頃から与えられていた一番の役割は、お父様のため「祝福」を授ける人間を選ぶこと…
お父様のため、讃頌会のため…
それしか、私の存在意義はなかった。
ビビアン。
ほかには誰一人、なにも私に教えてくれなかったの。
だから最初から最後まで、私の価値はそれだけ。
なのに、あなたはそれを奪っていった。
挙げ句の果てに…
壊しさえした。
そう、あなたは勧善懲悪をやってのけたつもりかもしれない。
それはあなたにとってほんの小さな世界の出来事…
でも、あなたは考えたことある?
私にとっては、その小さな世界がすべてだって。

ビビアン
本当に、あなたを傷つけるつもりはありませんでした…
わたしにとっても、あなたは最初の友達でした。
だからわたしは、あなたを救うことができたらと…

ディナ
救う?
…あなたもカミエルも、おんなじこと言うんだから。
どうして誰もわかってくれないの?
私にとって、失うことは死ぬよりも辛いって。

ビビアン
やり直しましょう、ディナ…
カミエルがしたことだってすべて、あなたが陽の当たる場所を歩いていけるよう願ってのものでした。

ディナ
……

ビビアン
一緒にホロウを離れましょう。
新エリー都には楽しい場所がたくさんあります…
今度はわたしがあなたを守る番なのです。
素敵な人たちともたくさん出会いました。
みんな、きっとあなたのことを好きになってくれます…
どうですか、ディナ。

ディナ
ビビアン…
できないわ…
あなたたちを許すこともできなければ、許したいとも思わない。
私にはもう…
このわずかな憎しみ以外、何も残ってないの。
これすら失ってしまったら、あまりにも惨めすぎるじゃない…
謝らないわよ、ビビアン…

「許さないで欲しい」
ディナはサクリファイス化の注射を自身に注射し、エーテリアスに変わっていった…

ディナは目をつぶり、自分の腕に一本の薬剤を注射した。
すぐさま彼女の体にはエーテル結晶が現れる。
侵蝕の兆候だった――

「自分のことだけは、嫌いになりたくないの…
だからお父様を死なせたあなたを恨むしかない。
勝手に私から離れていったカミエルもそう…」
「私はこんなにも憎まれ、嫌われる人間だから。
誰にも借りは作らないし、後悔もしたくない。
絶対に…」

ディナ
ビビアン、私はこれからもあなたを憎み続けるわ。
あなたの大切な人を、私が奪うの
カミエルの望む新しい人生とやらだって、決して歩んでやるもんですか。
ビビアン…
もし、あなたが現れなければ…
もし私がいなければ…
あなたは…もっと…
……

ビビアン
「パエトーン」様、どうか…
手出しは不要なのです。
彼女はわたしにとって、初めての友達でした…
お別れを言うのは、わたしでなければ。

【?】がぞう

ビビアン
ディナ、もう苦しい思いはさせません…
「パエトーン」様、どうか近づかないでください!

【?】ムービー

リン
後ろっ!

ビビアン
リン――

リン
どうなったの…?
これは…
ビビアン!

ビビアン
こ 来ないで…
わたし…
決めたのです
結末を 変えるって…

リン
ビビアン!

ビビアン
あなたの記憶では
せめて綺麗なままで…

リン
ビビアン!
あっ あぶない…!
ビビアン!
体が…!

ビビアン
お見苦しいですよね…
けれど…
これで「不幸を呼ぶ」のも終わり…

リン
いや いやっ…
ううっ…!

ビビアン
あたた…かい…
素敵な…夜…

リン
…ビビアン!?
こんな結末⋯
私はやだから!

>≪涙と過去を埋めて(下)≫

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