輝きのモーメント(上)
お兄ちゃんがなんだか落ち着かないみたい。
話しかけてみよう。
①今行くよ
話しかけてみよう。
…お兄ちゃんと話そう…
アキラ
アストラさんの番組がもうすぐ始まるよ。
リン、一緒に観るかい?
アストラさんの番組がもうすぐ始まるよ。
リン、一緒に観るかい?
①今行くよ
リン
着いた!
まだ始まってないよね?
着いた!
まだ始まってないよね?
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②待って、すぐ行く!
リン
ちょっと待って、やっとかなきゃいけないことがあるの。
ちょっと待って、やっとかなきゃいけないことがあるの。
すぐ行くよ、お兄ちゃん!
-------------------------
アキラ
急ごうリン…
ああ、なんだか興奮してきた。
急ごうリン…
ああ、なんだか興奮してきた。
【?】がぞう特別劇場輝きのモーメント
「ニューイヤーコンサート」
新エリー都の輝けるスター、アストラ・ヤオが、今回のコンサートのテーマが「輝きのモーメント」であることを発表した。
新エリー都の輝けるスター、アストラ・ヤオが、今回のコンサートのテーマが「輝きのモーメント」であることを発表した。
どこからどう見ても平凡な朝。
アキラはテレビの前に座っていた。
その雰囲気はホロウで戦っている時と同じくらい緊迫している…
すると、テレビからなじみのある声が聞こえてきた――
アキラはテレビの前に座っていた。
その雰囲気はホロウで戦っている時と同じくらい緊迫している…
すると、テレビからなじみのある声が聞こえてきた――
アストラ
スターループは私にとって意義深い場所よ。
今までに、数えきれないアーティストがあの場所で歌声を披露してきた…
かくいう私が音楽の道を志すきっかけになったヨラン・デウィンターもそのひとりね。
今までに、数えきれないアーティストがあの場所で歌声を披露してきた…
かくいう私が音楽の道を志すきっかけになったヨラン・デウィンターもそのひとりね。
【?】本文
「チケットはなかなか手に入らない」
アキラはFairyを使ったうえで、チケットを手に入れられなかった。
しかもFairyに助手一号の座を奪われ、新しい指名依頼まで任されてしまった。
アキラはFairyを使ったうえで、チケットを手に入れられなかった。
しかもFairyに助手一号の座を奪われ、新しい指名依頼まで任されてしまった。
アキラ
Fairy、準備はいいかい?
僕が合図をしたら始めるんだぞ。
Fairy、準備はいいかい?
僕が合図をしたら始めるんだぞ。
【?】本文
アキラ
へぇ、いつの間にFairyとそこまで仲良くなったんだい?
気の利くAIがいれば、僕はもう必要ないということか…
気の利くAIがいれば、僕はもう必要ないということか…
①お兄ちゃんの代わりなんていない
リン
そんなわけないでしょ、お兄ちゃんに取って代われるものなんてこの世にないんだから!
そんなわけないでしょ、お兄ちゃんに取って代われるものなんてこの世にないんだから!
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②よりによってFairyにやきもちを…
リン
え、Fairyにやきもちやいてる…?
じゃあ、私もアストラさんに嫉妬しといたほうがいいかな…?
-------------------------
え、Fairyにやきもちやいてる…?
じゃあ、私もアストラさんに嫉妬しといたほうがいいかな…?
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アキラ
リンにそこまで言われてしまったら、これ以上怒ったふりを続ける意味もないな。
とはいえ、チケットはまだこの手にない…
リンにそこまで言われてしまったら、これ以上怒ったふりを続ける意味もないな。
とはいえ、チケットはまだこの手にない…
リンに頼んで、アストラさんにこっそりチケットを融通してもらえるようお願いしてみるか…
いや、そんなのは邪道だ…
とはいえ現地に行きたい…!
いや、そんなのは邪道だ…
とはいえ現地に行きたい…!
>転売チケットを見てみる?
リン
一応、転売のチケットも見てみる?
今ならインターノットにきっとあるはずだよ。
一応、転売のチケットも見てみる?
今ならインターノットにきっとあるはずだよ。
アキラ
転売のチケットはすごく高いんだぞ。
アストラさんのことは大好きだけれど、アルバムの何倍というお金を使うのはやはり…
転売のチケットはすごく高いんだぞ。
アストラさんのことは大好きだけれど、アルバムの何倍というお金を使うのはやはり…
>買おっか…!
リン
買おっか…
ちょうど依頼もあるし?
お金っていうのはこういうときに使ってなんぼだしね。
お兄ちゃんを現地に行かせてあげたいもん!
アキラ
買おっか…
ちょうど依頼もあるし?
お金っていうのはこういうときに使ってなんぼだしね。
お兄ちゃんを現地に行かせてあげたいもん!
アキラ
リンは本当にいい子だな…
とはいえ僕はなんだかよくわからないうちに助手二号となり、この手にチケットを握ることもない…
まったく丸損だ。
とはいえ僕はなんだかよくわからないうちに助手二号となり、この手にチケットを握ることもない…
まったく丸損だ。
とにかく、スケジュールのほうに依頼がある。
チェックしてみてくれ。
リン
妹として、ひと稼ぎしてくるね…!
チェックしてみてくれ。
リン
妹として、ひと稼ぎしてくるね…!
アキラ
ああ…
Fairyに任せとけば、絶対に手に入ると思ってたのに!
Fairyに任せとけば、絶対に手に入ると思ってたのに!
インターノットで指名依頼を受けた。
ホロウに入って、依頼人と会おう。
ホロウに入って、依頼人と会おう。
…依頼人に会おう…
リン
お金ってのは、こういう時に使うもんだよね!
今回稼いだ分は、コンサートのチケットにあてよ。
うん、依頼人はもうホロウの指定された場所で待ってるみたい。
行ってみよ。
今回稼いだ分は、コンサートのチケットにあてよ。
うん、依頼人はもうホロウの指定された場所で待ってるみたい。
行ってみよ。
>≪報酬のいい指名依頼≫
…【?】…
【?】ムービー
アストラ
やっと見つけた!
【?】本文
イヴに言われた通り、まずは戻ろう。
…ひとまずイヴの部下と一緒に戻ろう…
アストラ
ふふふ、宝物は手に入ったし、願いも叶ったわ!
イヴ、一緒に帰りましょ!
イヴリン
…ああ。
車に乗れ。
>≪追跡を振り切れ≫
イヴリン
(ここ数年、組織を抜けて上手く身を隠せているのは彼女だけだ)
(みだりに接触すべきではないのだろうが…)
(アストラお嬢様の安全に関わる)
(公衆電話を探さねば)
(みだりに接触すべきではないのだろうが…)
(アストラお嬢様の安全に関わる)
(公衆電話を探さねば)
六分街の電話ボックスに行って、暗号をダイヤルしよう。
…指定された電話ボックスに行って連絡しよう…
イヴリン
合言葉はあの童謡だ――
合言葉はあの童謡だ――
1155665、4433221。
古びた公衆電話は、一連のダイヤル音を発した後、静寂に包まれた。
イヴリンはひたすら待ち続けた…
やがて、電話の向こうからついに声が響く――
???
やあ。
この電話を使うことなんてもうないと思ってたよ。
どうしたの?
イヴリン
君の助けが必要だ。
この電話を使うことなんてもうないと思ってたよ。
どうしたの?
イヴリン
君の助けが必要だ。
???
へぇ。
珍しいね、きみの手に負えない任務なんて。
それで?
わたしに何を手伝ってほしいの?
へぇ。
珍しいね、きみの手に負えない任務なんて。
それで?
わたしに何を手伝ってほしいの?
イヴリン
一度会えるか?
???
会うの…?
あー、まあいいか。
約束したからね、最後までちゃんと手伝うよ。
じゃあ、きみのいるところから…
えーと、機械人のやってる「飲み物」のお店、見える?
イヴリン
ああ。
???
その交差点を左に曲がってから、まっすぐ進んで。
待ち合わせにぴったりな場所があるから、すぐわかるよ。
わたしも向かうから、10分くらい待ってて。
イヴリン
(10分か。
この辺りを少し歩いてみてもいいかもな。
ついでに、怪しいやつがいないか下見もしておこう…)
あー、まあいいか。
約束したからね、最後までちゃんと手伝うよ。
じゃあ、きみのいるところから…
えーと、機械人のやってる「飲み物」のお店、見える?
イヴリン
ああ。
???
その交差点を左に曲がってから、まっすぐ進んで。
待ち合わせにぴったりな場所があるから、すぐわかるよ。
わたしも向かうから、10分くらい待ってて。
イヴリン
(10分か。
この辺りを少し歩いてみてもいいかもな。
ついでに、怪しいやつがいないか下見もしておこう…)
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イヴリン
ふむ…
いつもコーヒーを「濃くしろ」と頼むせいで、ルミナスクエアのマスター・ティンは私を見るだけで機嫌が悪くなる。
ティン
お客様のご希望の味に調整いたしますが…
コーヒーの濃さはいかほどに?
ふむ…
いつもコーヒーを「濃くしろ」と頼むせいで、ルミナスクエアのマスター・ティンは私を見るだけで機嫌が悪くなる。
ティン
お客様のご希望の味に調整いたしますが…
コーヒーの濃さはいかほどに?
イヴリン
八倍ほど、濃くできるか。
ティン
……
ご自分の体を大切になされたほうがいいかと。
イヴリン
やはり、まだ怒っているようだな…
ご自分の体を大切になされたほうがいいかと。
イヴリン
やはり、まだ怒っているようだな…
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イヴリン
チェーン展開している雑貨店だ。
フルーツ味の飴玉を宣伝しているようだ。
忙しい時には、ストレスの解消に甘いものが要ることがある。
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イヴリン
ホビーショップか。
次はお嬢様を連れて来てみよう。
彼女のことだ。
きっと目を輝かせて、店内の商品を買い占めようとするだろうな。
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ホビーショップか。
次はお嬢様を連れて来てみよう。
彼女のことだ。
きっと目を輝かせて、店内の商品を買い占めようとするだろうな。
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イヴリン
ここにはゲームセンターまであるのか。
懐かしいな。
子供の頃、こういう店がたくさんあった。
ランドセルにメダルを詰め込んだ子たちが心底羨ましかったな。
また機会があれば遊びに来よう。
ランドセルにメダルを詰め込んだ子たちが心底羨ましかったな。
また機会があれば遊びに来よう。
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イヴリン
ルミナスクエアにも一軒あった気がするな…
お嬢様はずっと、ここのラーメンを食べたがっている。
ルミナスクエアにも一軒あった気がするな…
お嬢様はずっと、ここのラーメンを食べたがっている。
チョップ大将
お嬢ちゃん、ルミナスクエアのほうは支店だぞ!
こっちが本家本元ってなもんよ!
お嬢ちゃん、ルミナスクエアのほうは支店だぞ!
こっちが本家本元ってなもんよ!
イヴリン
なるほど、そういうことか。
店主もそっくりだ。
店主もそっくりだ。
チョップ大将
あたぼうよ!
息子だからな。
おまけに作るラーメンまで瓜二つときてやがらぁ。
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知らない匂いを嗅いで、ウーフは「ワォン」と一瞬で目が覚めた!
イヴリン
ここにもお嬢様のポスターがある。
ニューススタンドの犬
ワンワン!
イヴリン
ん?
ご主人はどうした?
イヴリン
ん?
ご主人はどうした?
ニューススタンドの犬
ワンワン。
イヴリン
なるほど。
君は自分自身の主人なんだな。
なるほど。
君は自分自身の主人なんだな。
ニューススタンドの犬
ワンワン?
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イヴリン
失礼。
アストラのアルバムは、まだ在庫があるだろうか?
エイファ
本当に申し訳ありません。
数日前に売り切れてしまいました。
ですが、仕入れ先には連絡を入れてありますので、すぐに入荷できると思います。
イヴリン
売り切れ?
そうか、たいしたものだ…
そうか、たいしたものだ…
エイファ
ずいぶん、嬉しそうな顔をなさるのですね?
欲しかったアルバムが手に入らなかったのに…
ずいぶん、嬉しそうな顔をなさるのですね?
欲しかったアルバムが手に入らなかったのに…
イヴリン
ああ、聞いてみただけだ。
エイファ
そうですか?
では、数日後にまたいらしてみてはいかがでしょうか。
アストラさんの音楽には、私もたいへんに傾倒しているんです。
そうですか?
では、数日後にまたいらしてみてはいかがでしょうか。
アストラさんの音楽には、私もたいへんに傾倒しているんです。
近々、彼女はスターループでソロコンサートを開くそうですよ。
新しいシングルもリリースされるとか。
才能がある上に勤勉…
素晴らしく、得難い歌手です。
自信をもって推奨できます。
イヴリン
ああ、同感だ。
新しいシングルもリリースされるとか。
才能がある上に勤勉…
素晴らしく、得難い歌手です。
自信をもって推奨できます。
イヴリン
ああ、同感だ。
>アストラのポスター
イヴリン
ふむ?
ショップの入り口に、お嬢様のポスターが貼ってあるな。
ショップの入り口に、お嬢様のポスターが貼ってあるな。
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イヴリン
ビデオ屋の兄妹か…
きちんと調査すべきだな。
あの若さで、あれほど卓越したプロキシである以上…
ただ者ではない。
彼らがお嬢様に近づくのには、何か目的があるのだろうか?
彼らに限って下心なんてないだろうが…
はあ、お嬢様は簡単に人を信じてしまうからな。
心配にもなる。
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イヴリン
カスタムショップか。
なかなか良さそうだ。
カスタムショップの店主
試してみるか?
実際にやってみれば…
飛ぶぞ。
お客さん。
イヴリン
わかった。
こんど必要になったら訪ねよう。
カスタムショップの店主
ああ、いつか常連さんになってもらえたら嬉しいよ。
ああ、いつか常連さんになってもらえたら嬉しいよ。
-------------------------
クロ
にゃあ!
イヴリン
警戒心の強い子猫だ。
警戒心の強い子猫だ。
子猫
にゃー。
私も以前は、お前と同じだった。
だが…
そんなに構える必要はない、お前はきっとたくさんの人に愛されている。
子猫
にゃー。
イヴリン
にゃー。
にゃー。
そういえば、この場所には覚えがあってな…
昔ここに店があったそうなんだが、何か知っているか?
昔ここに店があったそうなんだが、何か知っているか?
子猫
ニャ~ゴ。
イヴリン
ふっ、知らなそうだな…
ふっ、知らなそうだな…
-------------------------
「昔馴染み」を待ちつつ、近くに怪しい人物がいないか調査しよう。
…近くに怪しい人物がいないか調査しよう…
イヴリン
少し眠い、コーヒーを一杯もらえるか。
ティン
お客様。
コーヒーは、ただの眠気覚ましではありませんよ。
それ自身の使命があるのです。
イヴリン
ほう?
ティン
コーヒーの香りは人にくつろぎを与えるもの…
コーヒーの香りは人にくつろぎを与えるもの…
そしてその苦味こそが、人生の本当の味わい。
一杯の美味しいコーヒーを味わう…
それは、自分の心と対話をすることなんです。
一杯の美味しいコーヒーを味わう…
それは、自分の心と対話をすることなんです。
イヴリン
なるほど、私はコーヒーを軽んじていたようだ。
ティン
足を止め、すべてを味わうことの大切さを知っている人は多くはありません。
この一杯のコーヒーが、あなたにひとときの安らぎをもたらしてくれますよう。
足を止め、すべてを味わうことの大切さを知っている人は多くはありません。
この一杯のコーヒーが、あなたにひとときの安らぎをもたらしてくれますよう。
イヴリン
(ただ、コーヒーに一家言あるバリスタのようだ。
怪しいところはなさそうだな。)
イヴリン
熟練の技だな。
これほどに素晴らしい喫茶店が隠れているとは思わなかった。
ティン
当然のことです、六分街は才ある人が隠れる街なのですから。
これからもぜひ、足を運んでいただければと思います。
熟練の技だな。
これほどに素晴らしい喫茶店が隠れているとは思わなかった。
ティン
当然のことです、六分街は才ある人が隠れる街なのですから。
これからもぜひ、足を運んでいただければと思います。
イヴリン
やはり、な…
美味しいコーヒーをどうも。
美味しいコーヒーをどうも。
…近くに怪しい人物がいないか調査しよう…
イヴリン
いい香りだ。
いい香りだ。
チョップ大将
おうお客さん、今日は特別があるぞ。
試してみないか?
試してみないか?
イヴリン
またの機会にしよう。
次は友人を連れて来るよ。
チョップ大将
あいよ!
そんときゃ、いちばん豪勢なトッピングをサービスしてやらぁ!
イヴリン
(気持ちのよい店主だ、怪しいところはなかったな。)
確かこの辺りに、ビデオ屋がなかっただろうか?
チョップ大将
おうともよ、うちのすぐ隣だぞ。
おうともよ、うちのすぐ隣だぞ。
イヴリン
ビデオ屋の店長は、どんな人物だろうか?
チョップ大将
あん?
いーい子たちだぜ、俺が保証すらぁ。
なんでえ、あいつらになんか用事でもあんのか?
イヴリン
ああ、別に大したことじゃない。
ただ聞いてみただけだ。
ああ、別に大したことじゃない。
ただ聞いてみただけだ。
チョップ大将
んん?
一応、リンとアキラに知らせとくか…
んん?
一応、リンとアキラに知らせとくか…
イヴリン
いま、なんと…?
いま、なんと…?
チョップ大将
ああ、何でもねえさ!
うちのラーメンを贔屓にしてくれて、ありがとよ。
ガハハ…
そろそろ時間だな。
待ち合わせ場所に行かないと――
そろそろ時間だ。
「昔馴染み」に会いに約束の場所へ行こう。
「昔馴染み」に会いに約束の場所へ行こう。
…約束の場所に行って「昔馴染み」に会おう…
イヴリン
(ここは…
なるほど)
(落ち合うには最適な場所だな)
(やはりこの街は侮れない)
(ここで彼女を待とう)
(ここは…
なるほど)
(落ち合うには最適な場所だな)
(やはりこの街は侮れない)
(ここで彼女を待とう)
「昔馴染み」
前回の襲撃を乗り切ったイヴリンは黒幕を探るべく、やむなく古い同僚のレインに連絡することにした。
襲撃者が残した通信機から、重要な情報が手に入った。
あの襲撃者はライバル社のフーガに雇われており、アストラの居場所は、味方であるはずの帝高にいる内通者によって筒抜けだったのだ。
レインと別れた帰り道、イヴリンは状況がますます厳しくなっていることに気づき、深く思い悩んだ。
前回の襲撃を乗り切ったイヴリンは黒幕を探るべく、やむなく古い同僚のレインに連絡することにした。
襲撃者が残した通信機から、重要な情報が手に入った。
あの襲撃者はライバル社のフーガに雇われており、アストラの居場所は、味方であるはずの帝高にいる内通者によって筒抜けだったのだ。
レインと別れた帰り道、イヴリンは状況がますます厳しくなっていることに気づき、深く思い悩んだ。
待機していると…
パーカーのフードを目深にかぶった少女が、イヴリンの肩をつついた――
パーカーのフードを目深にかぶった少女が、イヴリンの肩をつついた――
【?】本文
「この時代の五線譜」
アストラは、フーガが襲撃でヨランの遺作を奪おうとしたことを知り、芸術に絡みつく資本の力について、あらためて考えた。
その時、思い出したのは旧都陥落の危機の中で自分に希望を与えたヨランの歌だった。
そして彼女は、自分の音楽で人々の心を繋ぎ、新エリー都に繋がりと希望をもたらしたいと思った。
アストラは、フーガが襲撃でヨランの遺作を奪おうとしたことを知り、芸術に絡みつく資本の力について、あらためて考えた。
その時、思い出したのは旧都陥落の危機の中で自分に希望を与えたヨランの歌だった。
そして彼女は、自分の音楽で人々の心を繋ぎ、新エリー都に繋がりと希望をもたらしたいと思った。
それからしばらくして、スターループの展望台――
【?】本文
【?】ムービー
アストラ
音楽って魔法なの
イヴリン
【?】本文
「王冠の重さ」
アストラのコンサート招待状を受け取ったプロキシ兄妹はとても喜ぶと同時に、ネット上のアストラ・ヤオに批判するコメント、特にデウィンターとの比較に憤慨した。
二人はサブ垢で批判的なコメントに反撃しようとしたが、かえってアストラさんに迷惑をかけてしまうと判断し、実行はしなかった。
兄妹はインターノットの討論で大スターが浴びる非難を目にして、その苦労を思った。
アストラのコンサート招待状を受け取ったプロキシ兄妹はとても喜ぶと同時に、ネット上のアストラ・ヤオに批判するコメント、特にデウィンターとの比較に憤慨した。
二人はサブ垢で批判的なコメントに反撃しようとしたが、かえってアストラさんに迷惑をかけてしまうと判断し、実行はしなかった。
兄妹はインターノットの討論で大スターが浴びる非難を目にして、その苦労を思った。
「なんだって!?」
ベットの上でゴロゴロしていると、興奮した叫び声に平穏を破られた――
ベットの上でゴロゴロしていると、興奮した叫び声に平穏を破られた――
【?】本文
お兄ちゃんがまたソワソワしてる。
たぶんアストラさんのコンサートのことだね。
話しかけに行ってみよう。
たぶんアストラさんのコンサートのことだね。
話しかけに行ってみよう。
…お兄ちゃんと話そう…
ついに…
コンサート当日!
コンサート当日!
アキラ
今日はアストラさんのコンサート当日だ。
今からの動きはミリ秒単位で正確にいこう。
会場入りは二時間前が鉄則だ。
交通にも天気も異常なし、招待状はポケットに入れた。
リン、準備はできたかい?
いつでも出られるだろうね?
①待ちきれないって感じだね…出発しよう!
リン
お兄ちゃん、そんなに慌てなくても…
お兄ちゃん、そんなに慌てなくても…
時間はたっぷりあるんだから…
もう待ちきれないって感じだね…
わかったよ、早めに出発して悪いことはないしね。
それにスターループは街の中心部にあるし、行くのも結構時間かかるよね。
もう待ちきれないって感じだね…
わかったよ、早めに出発して悪いことはないしね。
それにスターループは街の中心部にあるし、行くのも結構時間かかるよね。
アキラ
わかるかい?
自分でもせっかちだと思うけれど、もう待ちきれなくてね。
リンにも伝わったみたいで嬉しいよ。
わかるかい?
自分でもせっかちだと思うけれど、もう待ちきれなくてね。
リンにも伝わったみたいで嬉しいよ。
-------------------------
②ちょっと待って、まだやることが
リン
まだ用事があるから、お兄ちゃんはもうちょっとだけ待ってて。
まだ用事があるから、お兄ちゃんはもうちょっとだけ待ってて。
アキラ
わかった、もう少しだけ待とう。
でも本当に少しだけだからな。
二度目はないぞ、リン
わかった、もう少しだけ待とう。
でも本当に少しだけだからな。
二度目はないぞ、リン
>≪輝きのモーメント(下)≫
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