シーズン2 第二章 遅れてきた波の花たちに/ゆったりとしたひと時・肉親には言えないこと

最近は福福先輩に確認したいことがある、彼女はちょうど適当観にいるみたいだから、早速会いに行こう。

…福福先輩と話そう…

橘福福
あれぇ、お弟子ちゃんじゃないですか。
福福に何か御用ですかっ?
何やら聞ききたいことがあるみたいですねぇ?
なんでも話してみてください!
あたしはあなたの大姉弟子ですよっ!

①姉弟子さんに聞きたいことがあるの
②最近お兄ちゃんがよくお邪魔してるよね?

橘福福
あ、そのことですか?
えへへ、あたし算術の出来があまりにひどくて…
試験前に丸暗記するのもよくないので、お弟子さんに家庭教師をしてもらってるんです!

①お兄ちゃんが姉弟子の家庭教師…?
②てっきり逆かと…

橘福福
ええ――?
ぎゃ、逆ってどういうことですか?

(最近観察してきた結果を福福先輩に伝えた。
お兄ちゃんが福福先輩のところへ行く時はいつもわざわざお菓子を買ってから行ってたから、どう見てもお兄ちゃんの方が頼みごとがある方だよね…って。)

①それに、姉弟子さんの即答っぷり…
②お兄ちゃんに吹き込まれたね?

橘福福
わぁ…
そんなことまでバレちゃってるんですね!
兄妹ふたりそろって、企むのも暴くのも得意なんですから…

①つまり、認めるんだね
②一体どういうこと?

橘福福
はぁ…
しょうがないので、教えちゃいます。
――覚感の術のことなんです。
お師匠さまが覚感の術をお弟子さんに教えたんですけど、気の流れがまだあんまりスムーズじゃないみたいで…
あたしが解決策を考えてあげてるんです。

①お兄ちゃんったら、私に黙って!
②使う機会がないとか言ってたくせに!

橘福福
あわわ、そんなに怒らないであげてください〜!
お弟子さんはゆっくり着実タイプだってだけですよっ!
血が繋がってたって、習得のペースまで同じってわけじゃないですから。
ただ、お弟子さんはあなたの足を引っ張りたくないって…
フェロクスがお弟子ちゃんをホロウに閉じ込めた一件で、いざってとき役に立てないかもって心配になったみたいなんです。
だからあたし、内緒にしよって…

①そうだったんだ…
②私に何か手伝えることはある?

橘福福
ここ数日はめきめき上達してますよっ!
もうすぐ自由自在に使えるようになるはずですから、そのときは何事もなかったように振舞ってくださいねっ!
あっ、でも時間があったら、平心堂でツルドクダミの根を買ってきてもらえませんかねぇ。
雲嶽山には、ツルドクダミの根と色んな薬材を煮詰めて軟膏にした「心身調膏」という秘伝薬があるんですっ。
血行を良くしてくれて、覚感の術の修行にとってもいいんですよ。
お弟子さんにも使ってもらってます〜!

①ありがとう、姉弟子さん
②すぐ買ってくるね!

お兄ちゃんの貼り薬を作るのに、福福先輩から平心堂でツルドクダミの根を買ってきてって言われた。
早速行かなくちゃ!

…平心堂で薬材を購入しよう…

(コウラは店の入り口にいない…
薬を調合してるのかな?
そういえば、店から話し声が聞こえてくるような気がする)

落ち着いた男性の声
…お芳さんのご主人は、第十一代宗主と兄弟弟子だったのですね。
思いもよらないご縁でした。

お芳さん
そうだよ。
後に総本山を離れたとはいえ、絆はずっと続いている。
おたくの師匠の世代は、私たちが見守ってきた弟子たちだからね。
まったく、儀降ちゃんがあの若さでねぇ…
衛非地区を救うためとはいえ、青溟剣を抜いてしまうなんて。

落ち着いた男性の声
青溟剣は世にも稀なる神剣です。
その力には、相応の代償と覚悟が伴いますから。

お芳さん
ほんとうに、ご愁傷さまだったね。
とはいえ今の話を聞くかぎり、青溟剣には新たな主が見つかったようじゃないか。
雲嶽山の伝統も安泰というものだよ。
とてもいいことだと思うねぇ。

コウラ
ン…ン、ナ…ン。
(お二人の薬は…
ほれ、どうぞお大事にの。)

葉釈淵
おや、お弟子さん。
どうしてこちらに?

①薬を買いに来たの
②兄弟子さんは体調が悪いの?

葉釈淵
大したことではありませんよ。
持病で眠りが浅くなりがちなものですから、薬を処方してもらいました。
お弟子さんは何をお求めに?

>ツルドクダミの根だよ

コウラ
ン…ン…ナ。
(すまんのう…
ツルドクダミの根は…
切らしとる…)
ナ…ンンナ…
(来週…入るから…
その時に…
また…来てくれ)

①え~、そんなに時間かかるの?
②他に買える方法とかないのかな

お芳さん
お嬢ちゃん、慌てることはないよ。
泗瓏囲で聞いてみるといい。
ツルドクダミの根は水辺に自生するからねぇ。
薬草とはいえ、この辺りの人間は干して食用にすることもあるんだよ。
ただ、薬材と食材じゃあ勝手が違うからねぇ。
うまくいくかはわからないけれど。

>やばっ、それは私もよく分かんない

葉釈淵
お弟子さん、もしや「心身調膏」に使うのではありませんか?
それであれば、ふだん食用にされているものでも事足りるはずです。
ただ、なるべく収穫から時間をおいたものが望ましく…
実物を見たことがないと見分けるのは難しいかもしれませんね。
よろしければ、僕が一緒に行きましょうか。

①お願いしたいな!
②大兄弟子って優しいよね!

葉釈淵
ええ。
それでは行きましょうか。

泗瓏囲の人たちもツルドクダミの根を料理に使うみたい。
あそこの子どもたちに聞いたら、少し分けてもらえるかも!

…泗瓏囲でメローに薬材のことについて聞こう…

ダンテ
リン姉ちゃん、こんにちは!
どうして泗瓏囲に?

①ツルドクダミの根を買いたくて
②売ってるところ、知らない?

メロー
ツルドクダミの根?
うちにあるよ。
母さんが前にたくさん干してたんだ。
でもにがーくてぜんぜん美味しくないよ。

葉釈淵
はっはっは…
食べるのではありませんよ。
薬として使いたいんです。

メロー
あ、なんだ、それならいいんだよ。
リンねえちゃん、うちに来て持って行ってよ。
この前おもちゃ直してくれたし、お金はいらないからね!
それにたくさん持って行ってくれたら、母さんに毎日無理矢理食べさせられなくて済むし…

そして、メローの家の近くまで来ると――

メロー
ツルドクダミの根は下の箱だったかな、ちょっと待ってて。
上のやつをどかすから…
よいしょっと!
うわっ、虫だあ!

葉釈淵
気をつけてください、ムカデです!

巨大なムカデが何匹もメローの腕に落ちてきて、私と大兄弟子は思わず助けに駆け寄った。
大兄弟子は袖でムカデを払い落としたけど、私はそこまで素早く動けず、手首をひどく噛まれてしまった。
しばらくして…


メロー
うっ…
すっごく腫れてる。
見てるだけで痛そう!
リンねえちゃん、ごめん。
僕のせいで…

①平気、私…我慢できるから!
②メローくんが噛まれなくてよかった!

葉釈淵
とても素早い反応でしたよ、お弟子さん。
とはいえ都会にいると、あのような生き物に対処することもないでしょうから…
素手で掴んでしまったことだけは悪手でしたね。
幸いアレルギーの兆候はありませんし、軟膏を塗っておけば三日、四日ほどで治ると思います。
おっと、道観にまで袖はまくったままにしておいてください。
傷が擦れたりすると、治りが遅くなってしまうかもしれませんから。

メロー
あはは…
隠しとかないと、ムカデを素手でつかんだってみんなにばれちゃうもんね。

葉釈淵
これくらい、何も恥ずかしいことではありませんよ――
いえ、メローくん。
お宅に包帯があれば、少し分けてもらえますか。

メロー
あるよ、待ってて!

メローは家へと駆け戻った…

葉釈淵
お弟子さん、傷口を見せてください。
ここで手当てをしてしまいましょうか…

>兄弟子さん…?

葉釈淵
不思議に思っていたんですよ。
あなたは既に覚感の術を使いこなしているのに、どうして「心身調膏」が必要なのか…
ようやくわかりました。
お兄さんのためだったんですね?

>兄弟子さん、お願いが…

葉釈淵
ええ、わかっています。
お兄さんには内緒に…
ですよね?
僕からは口外しません、安心していいですよ。

①あ、ありがとう…てっきり
②正直に言えってなるかなって…

葉釈淵
はっはっは…
姉弟子や潘なら、正直に言うよう勧めるかもしれませんね。
ですが、僕は…
僕にも、妹がいますから。
肉親ゆえに言いづらいことというのは、往々にしてあるとわかっています。

①兄弟子にも妹さんが?
②その子も雲嶽山に?

葉釈淵
ええ。
幼い頃に揃って山門を叩きましたが、凡庸な僕なんかと違い、彼女はとても才能に恵まれていました。

>謙遜しすぎだよ

葉釈淵
いいえ、謙遜ではありませんよ。
当時は僕も、よく「心身調膏」の世話になりましたから。
材料を見分けられるのも当然というわけです。

メロー
あったあった!
はい!
包帯とハサミ!

話している間に、メローが戻ってきた。
大兄弟子は私の傷の手当てをしてから、ツルドクダミの根を選ぶのを手伝ってくれた…


葉釈淵
さて、ここでの用事は済みましたね。
適当観に戻りましょうか。

メロー
リンねえちゃん、また遊びに来てね!

薬材が手に入った。
兄弟子さんと一緒に適当観に戻ろう

…適当観に戻ろう…

アキラ
リン、どこに行っていたんだい?
電話しても繋がらなかったけれど。

①あれ。何かあった?
②しまった、マナーモードにしてた…

アキラ
家にあるビデオの在庫が合わなくて、いろいろ探していたんだけど…
H.D.Dの画面に記録を貼っていたのを見つけたよ。
これで一件落着だ。

葉釈淵
すみませんでした、アキラさん。
先ほど平心堂で薬を処方してもらっていた折、妹さんに会いまして。
薬の材料の選別を手伝ってもらっていたんです。
お弟子さん、ここまで持ってくださりありがとうございました。
もう大丈夫ですから。
(ツルドクダミの根は、後ほど僕から姉弟子にお渡ししておきますよ。
ご心配なく…)

>(ありがとう、お願いね…)

そして、大兄弟子は帰っていった…

アキラ
大兄弟子が平心堂に薬をもらいに行ったのは、もしや寝つきが悪いからというやつかい?

>お兄ちゃんも知ってたんだ

アキラ
ああ、潘さんから聞いたんだ。
ただの不眠というより、悪夢にうなされるタイプらしくてね…
何か悩み事でもあるのかな?

>私にも分かんないなあ…

アキラ
なんだ、せっかく大兄弟子に色々聞くチャンスがあっただろうに…
何も話さなかったのか?

①そういえば…大兄弟子も妹さんがいるって
②しかも同じ雲嶽山の弟子なんだって

アキラ
へえ?
そうなのか。
同じ門下生なら、そのうち会えるかもしれないな。
おっと、もうすぐ福福先輩に算術を教える時間だな。
リン、僕はそろそろ行くよ。

>うん、しっかり頑張ってね!

アキラ
ああ――
じゃなくて、僕は頑張らないぞ。
頑張らなくちゃいけないのは福福先輩のほうだからね。
それじゃ。

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