いま取り込み中、留守電でヨロ(中)/ビデオ屋の可愛いお客さんたち

ルミナスクエア地下鉄駅の出口に、見覚えのある姿があった――
エレンは若い女の子たちに囲まれ、困った表情をしている…

ルビー
エレン！！
エレン…だよね！！？

エレン
悪いけど、人違い。
あたしは…
えっと、バトラーだから。

ルビー
明らかにエレンじゃん！
そのしっぽ、あんただけだもん！

モナ
エレンちゃん…
どうして、ここでメイド服を着てるの？
何かトラブルに巻き込まれてるんじゃ…

エレン
ただのバイト。
店の宣伝のために急に着ることになったの。

凛
エレン、あなた一体どこでバイトしてるの？

エレン
普通のビデオ屋だけど。
質問攻めにされるとめんどいから、黙ってたのに…

エレンが数人の女子に囲まれてる。

助けてあげよう。

…エレンに助け舟を出そう…

エレン

ほんとにビデオ屋のバイトだって…

モナ
そのお店、営業許可証はちゃんと持ってるの？

凛
急な宣伝用の衣装にしては、やけに凝ってるし…

ルビー
ビデオ屋の店長って、まさか中年の変なおっさんじゃないよね…

「不健全なビデオ屋」
エレンのメイド服は、ビデオ屋の宣伝のためにお手伝いで着てもらっているのだと、彼女の友達に説明したら、その友達もお手伝いをしたいとやる気満々になってしまった…

エレン
あー…
この人、バイト先の店長。

【？】本文

エレンの友達が、ティーミルク屋での宣伝を提案してくれた。
行ってみよう！

…ティーミルク屋へ宣伝しに行こう…

エレン

はぁ…
おかげで助かった
依頼、早く終わったから、このカッコで帰ってたら…
ルミナスクエアで、あの子たちとばったり会っちゃってさ
あんたが来てくれなかったら、まだ捕まってたかも
だから、ありがと。
ティーミルク、あとでこっそり奢るね

モナ
店員さん、店員さん、こんにちは！

凛
ルビー、店員さんにくっつかないで…

ルビー
だって、店員さんからあま～いティーミルクの匂いするんだもん。

ほんっと…いい匂い…

ココ
…恥ずかしい…

逃げたい、逃げたい…

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見て見て、あそこ！
前に話した学校の子達だよ。
制服が超可愛いの！

エレンはルビーからココを助けると、彼女に尋ねた――

エレン
ここに宣伝のチラシを置かせてもらってもいい？

ココ

せせせ宣伝！？
コココ、ココを手伝ってくれるの？

エレン
えっと…
そーいうわけじゃなくって…

「Random Play」っていうビデオ屋のチラシを置かせてほしいってことなんだけど。
お礼に、あたしたちが学校でティーミルク屋を宣伝するから。

ココ

だ、だだだだ、大丈夫！
あ…
チラシを置いてもいいけど、もう、ティーミルク屋の宣伝はもう大丈夫、ってことで…
前にたくさん助けてもらったし…
ココがお返しできることもあまりないから…

エレン
…そっ？

ココ

うん…
前に、たくさんの人におすすめしてくれたでしょ？
ココはそれだけで充分感謝してるから！
ビデオ屋のチラシは後で私に渡して。
目立つところに貼っておくね。

エレン
ありがと。

ルビー
ダメだぁ…
今すぐここを離れなきゃ…！
体が砂糖たっぷりのティーミルクが欲して…！

ルビー
エレン、あたしがよく行くお店も宣伝にいいよ！
人もたくさん来るし！
先行ってるから、早く来てね！

エレンの友達が、雑貨店に行って宣伝するつもりみたい。
ついて行こう！

…雑貨店へ宣伝しに行こう…

エレン

気にしなくていいよ。
ルビーって、いつもああだから
あの子が通ってる店ってのは、地下鉄近くの雑貨店ね
ルビー、お菓子に目ないから
まあ、よく凛と勝負してぜんぶ取られてるけど…

で、そーゆーのはだめってモナにお説教されるまでがセット
みんな一癖あるけど、いいコたちだよ
思ったこと、そのまま言っちゃったりするし…
でも悪気はないから、あんま気にしないで

凛
ご来店いただき、まことにありがとうございます――

モナ

凛ちゃん、刺激するようなこと言っちゃダメだってば…

ルビー

うわああ…
また失敗した！

ルビーの誘惑に乗り、エレンも新作ドリンクを買った。
キャップを開けると――

エレン
あ…当たった。
もう1本貰お。

ルビー
なんで！？
あたしなんか、一か月も買い続けてるのに！
もしかして、あたしの運、悪すぎ…？

エレン

1回も当たったことないの？
ありえないでしょ…

ルビー
いやいや、もう一本買えば当たるから！
店長、お願い！
買ってきて！

ルビーのためにもう一本買い直したが、予想通り――
え？
まさかの「もう一本」だ！

ルビー

店長――
「Random Play」の店長！！
ううっ――
「Random Play」の店長、あんたはあたしのラッキースターだよ――

①実は私、名前があるんだけど…
②もう叫ばないで！

ルビー
これも宣伝になるって！
ほら、さっきあたしが大声で3回も叫んだから、たくさんの人がこっち見てるでしょ！

①そんな宣伝はしなくていいよ…
②本当だ…

エレン
店長、宣伝はもう十分だよね？
帰ろ。

ルビー
オーケー。
んじゃ、案内よろしく！

エレン
まだ話し合いがあるんじゃないの？
バイト終わったら、そっちに合流するから。

ルビー
エレンがバイトしてる店でビデオを借りたいの。
課題のテーマを広げるのにも役立つかもしれないし！
店長、あたしたちを追い返したりしないよね？

①いらっしゃいませ～！
②お客さんを断ったりしないよ

ルビー
やった、ほら行こ！

「おかえりなさいませ、ご主人様」
エレンと彼女の友達がビデオ屋にやって来た。
エレンは仕方なく、ビデオ屋でバイトしているふりをすることになった。

一行はビデオ屋に戻った――

エレン
じゃ、好きに見てていーから。

【？】本文

ルビーはビデオ選びに迷ってるみたい。
エレンが何をおすすめするのか、見てみよう！

…ルビーにビデオをすすめよう…

ルビー

店員さん～、あたし、感動系が観たいなあ。
おすすめを教えて！

エレンは適当にビデオテープを選ぶと、ルビーに渡した――

ルビー
うわっ、この店員やる気ゼロだよ！
絶対棚から適当にとったでしょ！
…まあ、いっか。

何の映画？
『シャープファング・シャーク大作戦』？
どんな話？

エレン
あらすじは――

ああ、これは感動系だよ。

ルビー
ほ、ほんとに？

エレン
小さなサメが深海でいろんな試練を乗り越えて、最後は海の覇者になって、おいしいものをたくさん食べるストーリーって書いてあるし。

ルビー
マ、マジで？

エレン
うん、いい話でしょ。

ルビー
いや、でもさ…
ここにガッツリと16歳未満は観ちゃダメなホラーって書いてあるよ？
店長、この映画の内容って…

①映画の解釈は人それぞれだから

エレン
「大作戦」とか刺激強そうで、あんたにぴったりじゃん。

あと、それ。
2も出てるんだよね。
旅行とグルメの映画だけど、一緒に借りてく？

成長したサメがビーチで多くの人間に出会って、新たなグルメ旅を始めるってやつ。

ルビー

ちょ、ちょい待ち…
それはもう解釈の違いとかじゃないじゃん！

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②エレンの言う通り！

エレン
ああ、ちなみに、二作目は成長したサメがビーチでたくさんの人間に出会って、新しいグルメ旅を始めるってストーリー。

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エレン
たくさん質問されましたし、二本借りてくってことでよろしいですよね？
「お客様」？

ルビー
えっと…
あああの、急に思い出したんだけど、家に再生機器がなかった！

エレン
「お客様」、もしご自宅に再生機器がないなら、「店員」のあたしがお貸ししますけど？

ルビー

エレン、ごめんって～！
あんたをからかうんじゃなかった！
早く凛のところに行ってあげて。
あたしは自分で選ぶから…
うぅ…

【？】タイトル

…凛にビデオをすすめよう…

凛
…おすすめはある？

エレンは棚に並べられたビデオテープを前にして、助けを求めるよう

に視線をこちらに向けた。

エレン
店長――

凛
聞かないで！
ずっとここで働いてるんだから、エレンが探してくれればいいでしょ。

エレン
あんたが言ってるやつ、あたしにはよくわかんないんだって…

凛
この手の内容なら、たくさんあるでしょ。
ここで働いてるっていうの、もしかして嘘なんじゃないの？

エレン
えっと…

①エレンは仕入れ担当だったから
②ビデオ紹介の担当は私だから

エレン
そーいうこと。
だから、店長に聞いて。
大体あんたのリクエスト、ちょっと特殊だし。

凛
全然普通でしょ。
ただ＊＆…＊%ってだけで…

①なんて？
②＊＆…＊%…当店にはないね

エレン
「生物学的遺伝子によって右往左往させられる、男女の不可解なやり取りを描いた物語」が観たいんでしょ。

凛
そういう風に解釈しないと気が済まないの？

＞それって一体…

凛
ただの恋愛映画です…

エレン
店長、おすすめは？

①『OH～ハニー』

凛

エレン、店長さんだけど…
その、少し変わってない？
なんで、ここで働いてるの？

エレン
あー…
サボるのにちょうどいいんだよね、ここ。

凛

…ああ、なるほど。
まあいいけど、気を付けなよ。

　＞全部聞こえてるよ…

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②『コーヒー・ラバーズ』

凛
この作品、評価がすごく高いみたいだね…
エレン、ここの店長さんってすごくプロっぽいし、あなたがいなくても全然大丈夫そうじゃない？
何で採用されたの？

エレン
あー…
ここ、サボるのにちょうどいいから。
店長にお願いして、ずっとここで働かせてもらってんの。

　＞うん、私は寛大だからね

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③『ラスト・フライト』

凛

ええ…
結婚に失敗したおじさんって…

店長さんの恋愛の定義って、かなり悲観的なんですね。

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エレン
とにかく、おすすめはこんな感じだから。
好きなの選んで、決まったらレジに行って。

ストレスがたまっているというモナに、リラックスできる映画をおすすめしてあげよう！

…モナにビデオをすすめよう…

モナ
エレンちゃん、私ね…
最近ストレスが溜まって…

エレンはキャンディーをつ取り出すと、慰めるかのようにモナに渡す。
そして、ストレスの原因について尋ね始めた…

モナ

実は期末のことが心配で…
学校に行くことを考えるだけで、ストレスを感じちゃうんだ。
何か楽しいものを観たら気分も変わると思うんだけど…
それか、ストレス解消になるようなスカッとするようなのだといいかなぁ。

エレン
なら、これがいーんじゃない？

モナ

『塾からの脱出：唯一の生存者』…
本当に楽しくなれるの？

エレン
タイトルからして、期末試験を延期にする方法がたくさん出てきそうじゃん。
フィクションでも参考になるかもしれないし？
ストレス解消にもなるかもよ。
…何？
なんで心配そうな顔でこっち見るの？

モナ

バイト、本当に大丈夫？
適当な接客してたら、店長さんが怒るんじゃない？
というか、店長さんがすぐ隣に立ってるんだけど…

エレン
大丈夫。
これも店長の好みだから。

モナ

え…？ええっ！
そうなの？

エレン
でしょ？
店長。

①これがうちの店のスタイルなんだ

モナ

す、すごく個性的なんですね…
だから、エレンちゃんはここで働けるんだ…

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②エレンが言ってることは冗談だよ…

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モナ

あの…じゃあ…

店長さん、何かおすすめはありますか？
できれば普通で…

①『レイダーズ/ホロウの秘宝』

モナ

わあ…
このパッケージの主人公…
いや、あの、コホン、違います。
私、この作品を見たいわけじゃなくって…

エレン
店長、これ借りたいって。

モナ

エレンちゃん！

エレン
どういたしまして。

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②『小さな体、大きなトラブル』

モナ
なんだかユルくて、笑えそう！
さすが店長さんのおすすめですね！
ふう…

ちょっと安心しました。
エレンちゃんが変な店で働いてるわけじゃないって分かって…
あっ、そんな意味じゃないです！
これを借りてくので、袋にいれてください！

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③『7710と彼の猫』

モナ

これ、何回も観てるんですけど…
もう1回でも全然観れます。
観るたびに癒されますから。
こんな繊細で温かいビデオをおすすめしてくれる店長さんが、変な人のわけがありませんよね。
やっぱりさっきのはエレンちゃんが冗談を言ってただけなんだ。

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エレン
決まったなら、袋にいれてくるから。
何かあれば後は店長に聞いて――
ちょっと休憩してくる。

「友達になったキッカケ」
エレンと友達は一緒に記念写真を撮った。
友達が店から帰った後、エレンは彼女たちと友達になったキッカケについて話し始めた…
一方その頃、少女たちはバイトだと言うエレンの言葉の真相を疑い始めていた…

モナ
店長さん、店長さん…

【？】本文

強面店長を演じてるところ、お兄ちゃんに見られちゃった…

お兄ちゃんは何か話したいことがあるみたい…

…お兄ちゃんは何か話したいことがあるみたい……

アキラ

リンの「悪徳店長」の演技は、なかなか堂に入ったものだったからね。

①勘弁してよ…
②なかなかの演技派でしょ？

アキラ
エレンの友達が、本当は腹黒い店長の下で働かされてるなんて誤解しないことを祈るよ。

①私はそんなに怖くないでしょ？
②そこまで怖くはないはずだよ

アキラ
でも、ビデオ屋がかなり儲かったから、今日は店じまいにして休もう。

＞おやすみ

＞≪友達の証≫