お悩み解決奇譚録
用事があるから、泗瓏囲で新しくできた露店に来て欲しいって、お兄ちゃんからメッセージが来た。 正直、何の話かさっぱりだけど… とりあえず様子を見に行ってみよう。 …メッセージに従って、泗瓏囲にある露店へ向かおう… ＞お悩み相談所「なりゆき」 リン (「泗瓏囲の露店に来てくれ、大事な話がある」ってお兄ちゃんからメッセージが来たけど、この辺かな？ うーん、でもお兄ちゃん、見つかんないけど…) 辺りを見回してると、肩を軽く叩かれた。 お兄ちゃん… いつの間に露店の横に？ アキラ 良いタイミングで来てくれた。 ほら、リンのために用意した露店だ。 どうだい？ ①私のために？ ②これって何の露店なの？ アキラ これがメッセージで話した「大事な話」なんだ。 師匠が来た時、リンはちょうど適当観にいなかったから、僕が代わりに伝えることになった。 雲嶽山には定期的に山を下りて露店を出し、市井の人たちの悩みを解決するという伝統があるんだ。 これまでは師匠がやってきた行事だけれど、今回は重要な用事で抜けられず、僕たち二人に任せることになったというわけだ。 露店の形式について、師匠は… 「雲嶽山の流儀は『成り行き任せ』だ、型にはまる必要はない。 お前さんたち兄妹の得意なやり方でやればいい」と言っていた。 雲嶽山の伝統的な飾りは一部残しておいたよ、適当観を代表していると分かるようにね。 「得意なやり方」に関しては… プロキシたる者、露店にパソコンを置くのは、理にかなっていると言えるだろう。 パソコンがあれば予約したお客さんの情報も確認できるからね。 それとFairyも搭載しておいたよ。 師匠の要望通り、気ままながらも理にかなっているだろう？ 我ながら結構気に入っているんだ。 ①「気まま」しかないような… ②理にかなってる部分は？ リン 「気まま」なのはわかったけど、どこが理にかなってるの…？ これじゃ適当観じゃなくて、ただの「Fairyのオンライン占い屋さん」じゃん！ そもそも、師匠は私たちの修行になると思って託したんだよね？ Fairyに任せっきりはマズいんじゃない？ アキラ ああ、それなら心配ないさ。 露店のポータブル電源じゃ、Fairyの電力は賄えないだろう。 だから全部をFairyに任せることはできないし、十分リンの修行にもなると思うよ。 ＞やけに周到だね… アキラ 露店の準備が思った...